自分がいなくなった先の未来を想えるか
昨日から、がん情報の見極め方のヒントに繋がるリーフレットの郵送を始めています。
7年前、夫がスキルス胃がんの告知を余命とともに告げられた時
私は絶望と同時に、きっとどこかに、彼を助けてくれる医療者がいる、
それを探し出すのが私の役目だと思いました
当時の私は、医療情報の見極め方を知らず、必死に検索する先にある
自分にとって【優しい】【易しい】情報にすがっていきました。
その行為は、私の想いとは裏腹に、夫の状態を悪化させてしまい
私は、この後悔を一生背負って生きていくのだと思っています。
情報の見極め方
結局は、臨床試験、創薬、医療制度などを知ることで、私は接する情報の中に、??と感じることが増え、それからは情報の受け止める際に、一瞬立ち止まるようになりました。
現在、学校教育の中に【がん教育】が取り入れられていますが、情報に関しての知識も、ひとつのがん教育だと思っています。
患者会活動を始めて6年目、理事長となって4年以上。
私が続けてきた根幹には、自身の後悔があるのだと思っています。
次々とご連絡をいただき、頑張ってきて良かったなと、長い道のりを振り返っています。
ちょうど5年前の1月、夫の悲願だったスキルス胃がんの冊子が完成し、発送を始めました。
あの頃は、電話で申し込みをいただくことが多く、メモを取りながら、2人で毎日、発送していたなと懐かしく思い出します
当時は、彼の想いについていくことに必死でした。
今、改めて冊子を読むと、彼が、自分の命の現実を受け止めながら、自分がいなくなった先の未来を見て、想いを託していたのだとわかります。
『僕は孤独だった。絶望を感じていた…』
本当に孤独でした。
狼狽してしまった先の愚かな行動に、さらに孤独になりました。
どんなに頑張っても、夫は救えない。
夫も命の限りを覚悟していたと思います。
その時に託したのは、命を未来に繋げること。
悔しさを、せめて有意義な時間にしたかったのだと思います
自分には間に合わなくても、未来を思えるか。
夫は、第一相という、動物実験後、初めて人間に投与する段階の治験に参加しました。
もしかしたら、自分に効果があるかもしれないという想いがなかったわけではありませんが、憎きスキルス胃がんに何らかの風穴を開けたかったという想いが強かったと思います。
5年経った同じ月に、新たな発送に取り組みながら、あの時の彼の真意を感じています。
世の中には、医療者という立場でありながら、藁をもすがる想いにつけこむ
商法的なことをしている人がいるのだということを知ったことが
私が患者家族になって知った現実です。
そこに声を上げても来ましたが、もぐらたたきのようで、跳ね返ってくるものに、こちらが疲弊してしまうことばかりでした。
だったら、医療、情報の受け手の知識を変えていくことに着手しよう。
それが、2020年のテーマでした。
とんでもなく長い、時に折れそうになる道のりでした
パッとした結果が目にみえることには、いろいろな支援がつきますが
このような草の根的なことには、支援を得ることは壊滅的なことでもあります。
継続のモチベーションは、ただ一つ
悔しさ
今回、発送しているリーフレットも、発送は根性です。
でも、ほんの少しでもいいから、誰かの光になることを信じて
コツコツ郵送していきます。
そして、いつか、
情けない治療、発信をしていることが
誰の目からも恥ずかしい世の中になることを願っています。
※リーフレットは、団体ではなくても
ご希望される方個人宛にも送ります。
最低5部。
レターパックだと50から100部送れます
info.gl@greenloupe.orgか、
送付先をお知らせください
代金はかかりません。
関心を持っていただけたら、ぜひ、まわりの方にもお渡しください
全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。