ヒロシ君が日記を始めました(2)

2月28日(日)
今日はダビデ君(偽名)と遊んだ。メガネ君とは違ってダビデ君は友人として好きだ。

乳首相撲で決めた結果、二人で近所の池に釣りに行くことになった。
一時間粘ったけど何も釣れない。隣でダビデ君がぶつぶつ独り言を言ってたが無視した。

すると突然『エサが悪いのかな~…』と言って、何を考えたか知らんが噛んでたガムをエサとして使いだしやがった。
さらに『まだ微妙に味付いてるし大丈夫だろ…。グレープ味だし…。』とほざく。
大丈夫の基準がよくわからん。
そもそもグレープ味が彼の脳内でプラス要素として扱われていることがよくわからん。

まあ…それでも釣れなかった。

すると突然『カロチンが足りないのかな~…』と言って、飲みかけのトマトジュースを池に流し始めた。池がほんのり赤くなっていった。
『いい色になってきたじゃんか♪』と彼はほざいた。
『魚も牛も広い意味で考えれば同じ生き物なんだから、牛と同じように魚も赤い色に興奮すると思うんだ!!』彼は僕の目をじっと見つめそう主張してきた。果てしなくどうでもいい。

分かりきった事を言うが、それでも釣れなかった。

次の瞬間、彼は勝負に出た。
『よし!!じゃあ僕がエサになろう!!』そう言って彼は池に飛込んだ。
それが体育の成績が①の彼が、最後に僕に見せた勇士だった。

僕はその勇士を見届けた後、荷物をまとめて帰った。
池から『た、たす…たすけて…!!』と悲痛な叫びが聞こえたが多分空耳だ。
ダビデ君、次はまともになった君に会いたい。

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