フォルダを浚えば|日々の雑記 #80
江戸に関する読み物を眺めていると、「溝浚え」や「井戸浚い」なんて言葉が出てきます。
これは溝や井戸をにたまった泥やゴミを取り除き、掃除をすること。俳句では夏の季語にもなっていて、かつては旧暦の七夕に、今でいう8月の中頃に、井戸の清掃が行われたそうです。夏の盛りに水の清浄を保つのは、理に適った風習と思います。
暮らしている町でも以前、浚渫工事を見かけました。
ポンプで川の水を逃し、底にたまったヘドロを掻き出す工事。そのせいか、たまると言えばよくないもの、「ストレス」や「疲労」、「悪玉コレステロール」などが浮かぶのが悲しいところ。銭ゲバとしては「お金」、本好きとしては「積ん読」ぐらい思いつきたいものです。
なんてことを考えていたら、結構なペースでたまるものに気付きました。スマホの写真フォルダです。
外食や料理をした際、食材を買った時には、つい撮影してしまいます。はい、noteのネタにしようと言う助平心ですね。
おかげでフォルダには酒と食べ物の写真で溢れていますが、楽屋入りしても出番がないケースや、編集でカットされるパターンも多いもの。せっかくなので、この時期ならではのお蔵出し、総集編として浚っておきます。
まずはたこ焼きの材料のみ。
この後家庭内で不和が発生し、焼いた写真を撮る余裕がなかったことを思い出します。
続いては初めてのチチャロン。
アレンジせずにそのまま食べ、胃もたれしたような。豆と煮てスープやバゲットでサンドイッチにしたら良かったですね。
初物のとうもろこし。
ここにゴーヤとズッキーニでも揃えば猪鹿蝶で役がつきますが、悲しいかな、単体では日の目を見ませんでした。
水の代わりに牛乳で作った白玉団子。
残念ながら、違いの分からない舌の持ち主です。だけどツルヤの黒ごまペーストは変わらぬ美味しさでした。
納豆スパゲティの前撮り。
撮影したものの使いどころが分からず。特典画像で出てきたらリアクションに困る1枚です。
あらためて眺めると色々たまっていました。特段キラキラもなく、積み重なっていく日常の一コマたち。
感傷的にはなりませんが、うっすら味の記憶が蘇ります。暑さで鈍っていた食欲も、刺激を受けて戻って参りました。
この時期は冷たいものの摂り過ぎで、胃腸に負担が掛かりがち。丑の日を前に、一度フォルダも体調も整えるのがいいかもしれないですね。
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