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適度な刺激(チリビーンズせんべい)|酒と肴 その四十三

読みたかった本は買ってあって、見たかった映画はダウンロード済み、おすすめの音楽はサブスクで配信されます。ここ数年、羽織れるブランケットを探していましたが、ようやく気になる品を見つけました。美術館では好きな作家の展覧会が開催中で、ずっとご無沙汰していたお店飲みだってできるのです。

それなのに、なんか面倒臭いんです。秋晴れでいい日和だというのに、どうにもやる気が起こりません。

まあ、季節の変わり目は心身ともにポンコツになると先人も仰ってますんで、仕方ないですね。どう足掻いても自然にゃ敵いません。年に四度やってくる土用の時期はこんな塩梅、無理はしないよう心掛けています。

ですから調子の悪い時(も)お酒を飲んでやり過ごします。つまみも簡単な、火も包丁も使わないお手軽なやつがオススメです。

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それがこちら、チリビーンズせんべい。私の中の七つの大罪のうち、「怠惰」と「暴食」が作り出したテクス・メクス風のオリジナル料理です。

材料は全て既に加工が済んでいるもの、火を通さなくても食べられるものばかりで助かります。

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作り方も簡単。お皿にクッキングシート、スライスチーズの上にサラダ蒸し豆とコンビーフハッシュをのせ、スパイスを振ったら600Wで90秒。
レンジから出しておけば勝手にパリパリに。あとは酢漬けの青唐辛子を添えてコロナビールをキメれば、心はVIVAビバ MÉXICOメヒコです。

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私は内向的な人間ですので、気付かぬうちにメキシコの陽気さと生命力に畏れと憧れを持っているのでしょう。そのせいか、調子の乗らない時ほど刺激的な、肉と豆とスパイスの料理を体に入れたくなるのです。

まあ、食べたからといって即テンションが上がる訳ではないですが、メキシコに吹く熱風よろしく、心の換気、湿気とりに役立ちます。
時折、何が効いたか気分が高揚することもありますが、普段大人しい人間の慣れないハイテンションは、周囲をザワつかせるので注意が必要です。

ところで注意と言えばこちらのレシピ、はじけるコンビーフでレンジの中がまあまあ刺激的な現場に。おかげで強制的にやる気スイッチが入り、ミッション「家人と修羅場になる前に清掃を終えろ」を無事クリアできました。

もしもお試しされるなら、そして元気がおありでしたら、フライパンでの調理をお勧めします。

メニューと材料
・チリビーンズせんべい(スライスチーズ、蒸し豆、コンビーフハッシュ、チリ&ガーリック*)
・青唐辛子の酢漬け(青唐辛子、酢、砂糖、塩)

*「チリ&ガーリック」は塩、唐辛子、ガーリック、パプリカ、ブラックペッパーのミックススパイス。肉のハナマサで買いました。ミル付きの容器に入って200円くらい。ご参考に↓



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