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家にいたい  2021.08.31_mame

 自分はインドア派なのかアウトドア派なのかでいうと、完全にインドア派である。
休みの日は家にいることが多いし、趣味と呼べそうないくつかのことも、インドアでできるものだ。

  外出が嫌いなわけではない。ただ、周りの声や歩道ですれ違うひとたちの気配が昔より苦手になった。人とぶつかりそうになると、自分がよけることの方が多いし、電車で座っても、隣に一人でも多く座れるように荷物に気を遣う。
  お店に入れば店員さんの気配や話しかけられそうな雰囲気を読み取ってしまうし、バスに乗ったら降車するときに人の邪魔にならないように運転士さんの横に立つ。人を押しのけて降車することなんてできない。早めにつくバス停なのだ。それならすぐに降りられる位置に立つのが鉄則だ。
  加えて私は地図に弱かったり、自分がほしい商品がどこにあるかなど、すぐ見当をつけられないことが多い。それなら知っていそうな人に聞くのが一番早いという、なんとも人任せな性格なので、すぐ人に聞く。しかし、そこでなんとも言えない対応をされるとそれはそれで腹が立つ。聞いたのは私なのだが・・・。
  もうちょっと優しく教えてくれたっていいじゃないか。
  でもこの人も何か疲れてたんだろうな、ごめんね、しょうもないことを聞いて。という気持ちがぐるぐるしてこれまためんどうくさい。

  書いていて自分がつかれるくらい、どうしてこんなに気を遣うようになったのだろうか。
  別にバスだって後ろの方に座っていてもいいじゃないか。バスのどこにも、「早めに降りる方は前の方にいてくださいね」なんて書いてないのに。

アウトドアな休日が嫌いなわけでは決してない。
ただ、それに伴う他者への気遣いの労力が楽しさを上回らなければ、疲労感が勝ってしまうのだ。一緒に友達がいてくれると、その他者への気遣いはかなり軽減される。何か嫌なことがあっても、すぐネタにできるからだ。

ああ、家で好きな動画を見て、好きな飲み物を飲んでごろごろするのはなんて幸せなんだ。
先日、同僚同士の自己紹介ワークのようなものがチャットで回っていて、「一日忙しくないと生きた気がしない」というモットーの人がいた。私はおののいた。
こんな人がいるのかと。なんて元気な人なのだ。忙しくないと生きた気がしないのは、少なくとも21歳までだったのではと思う。これからも文明の力を借りて、家事はできるだけ手を抜いて暮らしていきたい。次の目標は食洗器を買うことにしよう。

コアラ


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