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絵本制作は想像以上に難しい!ラフ画とセリフでぶつかった壁【2024年5月】

あらすじとプロットをAIアシスタント「Gemini」と共同で考え、ページごとにストーリーを深掘りしながら、読みやすく魅力的なレイアウトを考えていきます。

しかし、作業を進める中で設定が矛盾したり、辻褄が合わなくなったりすることが結構あります。
当初は32ページ15場面で構成していたのですが、プロットでページを割り振ってみると18場面になっていました。さらに、Kindle絵本でスマホを横にして閲覧した場合の推奨文字数は50~100文字。

1ページに100文字って、4~6歳向け絵本としてはかなり少ない印象でした。そこで全体的な見直しを行い、2~4歳向けで絵本を制作することにしました。

絵本作家 まめにゃんのメインブログでは「制作エピソード」を、絵本制作の裏側 まめにゃんでは「クリエーター向けの制作方法」を公開していきます。


ラフ画とセリフ:絵本制作の難しさ

あらすじ、プロット、キャラクターシートをAIアシスタント「Gemini」に読み込ませるだけで、プロンプトが長文になり、精度の低い回答ばかりが続いてしまいます。
プロンプトを複数回に分けて入力しても、質問が途切れてしまったり、情報が引き継がれなかったりと、なかなか思い通りの回答を得られません。

文章だけではイメージが湧きにくい部分も多く、最終的には図書館でたくさんの絵本を借りて、構図のパターンを収集しながら、試行錯誤を重ねていきます。

50~100文字という限られた文字数の中で、言葉で説明しなくても視覚的に伝わる表現とは?
借りてきた絵本には、どのようなセリフが書かれているのか?
言葉のニュアンスや配置、キャラクターの視線など、それぞれの絵本を眺めていると、個性豊かでとても面白いことに気づきます。

なぜこの絵本は面白く、あの絵本はつまらないと感じてしまうのか?

構図が集中を妨げていないか?キャラクターの目線は、自然なページ送りを誘導しているだろうか?今制作中の絵本は、構図やページ配分的に妥当だろうか?
これらの疑問をブツブツと呟きながら、ラフ画と絵本のセリフを考えていきます。

構成と構図の違い

ワンシーン構成と黄金比・三分割法でクマとキツネが親子のようにじゃれあう様子を、1ページ見開きで温かく描く。この説明だけで、皆さんはラフ画を起こせますか?

「ワンシーン構成…」 ふむふむ。言われているニュアンスはなんとなくわかる。しかし、黄金比+3分割法って、写真の構図じゃん!
つうか、構成と構図って何が違うんだよ。ってGeminiに答えてもらったのに混乱して「構成と構図の違いを教えて」ともう一度質問をする始末。(ついつい地が出てしまいました。)

Geminiに聞いても、いまいちピンとこない構成と構図。いったい何が違うのでしょうか?

構成とは、物語の骨格となるものです。プロットやキャラクター設定、ストーリー展開などを指します。いわば、絵本の「台本」です。
一方、構図とは、絵本の画面の中で、どのように要素を配置するかということです。キャラクターの配置、背景、余白などを考えます。いわば、絵本の「絵画」のようなものです。

つまり、構成は「何を伝えるか」、構図は「どのように伝えるか」という違いがあります。

ワンシーン構成と黄金分割・三分割法

さて、今回のテーマである「ワンシーン構成」と「黄金分割・三分割法」について考えてみましょう。ワンシーン構成とは、1ページ見開きで1つのシーンを描く構成です。絵本ではよく用いられる構成で、インパクトが強く、読者の印象に残りやすいという特徴があります。

黄金比三分割法は、画面を美しく見せるための構図技法です。黄金比は、約1.618:1という比率で画面を分割する方法です。三分割法は、画面を縦横3分割する方法です。

これらの技法を用いることで、画面に安定感やバランスを持たせることができます。

セリフとナレーション

まんてんのほしぞら
「アキ、ほしぞらが きれいだよ」
「うん、きょうは キラキラしてるね!」
「ねえねえ ユウキ、あのヒカリは なに?」
「えっ、どこ?」
くまのユウキと きつねのアキは、あるきます。
あそこに、 なにが あるのかな?

黄金比の活かし方とは?

あの有名な螺旋を描いてみる…。正直なところ、黄金比は約1.618:1という比率で画面を分割された構図までは理解しているものの、どう活かすかまでは分かっていません。
なので、知らないことを調べて学んで、取り入れながら軌道修正をしているため、どんどんスケジュールが遅くなっています。

今回も黄金分割の使い方の動画を見つけてきたので、動画の内容と紹介されている書籍を読みながら、ラフ画も修正していこうと思います。

黄金分割の使い方(解説+テンプレート配布)
イラレで黄金比の作り方 How to make Golden ratio / イラストレーター講座

セリフとナレーション

左側:
ヒカリが、どんどん 大きくなっていく。
   くまのユウキと きつねのアキは、びっくり!
右側:きらきらきらりん!

本当は5月に画像生成AI「Midjourney」のサブスクリプション契約でキャラクターを決めようと考えていました。しかし、シンプルで印象的な3DアーティストDalbumさんの「完全攻略100講:可愛いキャラクターで始めるBlender入門」講座がどうしても気になってしまい、先に購入してしまったのです。

当初の予定では、5月にキャラモデルとラフ画を完成させ、6月以降にBlenderでモデリングを開始するはずでした。しかし、スケジュールを遅らせることで、より良い作品作りを目指したいと考えています。

まとめ

スケジュールを組み始めた当初は、必要な知識や工程にどの程度の時間が必要なのか全く未知数でした。そのため、長めに時間を確保しておいたつもりでしたが、いざ制作に取り掛かってみると、必要な知識の多さに驚き、どこまでこだわるべきなのか、どのような表現で、どのような方法で制作していくのか、悩みながら作業を進めることになりました。

「お金をすぐに稼ぐこと」だけに注視するのであれば、AI絵本の制作も、あまり深く考えずに短時間で完成させることができたと思います。しかし、私の理想とするAI絵本は、単なる制作アシスタントではなく、私の足りないスキルを補い、学びを与えてくれる、共に考え、共に作り上げるパートナーのような存在です。

本来の目的は「とりあえず絵本を完成させること」でしたが、凝り性の性格が災いして、当初の予定よりもかなりゆっくりペースで制作を進めています。

これからも、気長に付き合っていただけると幸いです。


ありがとうございます😊皆さんの支援金は絵本制作の活動資金として大切に使わせていただきます!