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いつも誰かになりたかった

小さいころから本が大好き。
だからなのか、いつも本に出てくる主人公になりたかった。
着ているワンピースが雨模様になったら花柄になったりするうさぎになりたい。
家族で南の島の無人島に漂流した、あの主人公になりたい。
赤毛のアンになりたい、若草物語のジョーになりたい、紫式部になりたい。
私はいつも自分ではない誰かになりたかった。
今でも本を読めば登場人物に、ドラマを見れば主人公に、いいなと思う文章を読めばその人にように振舞ってしまうことも少なくない。


自分じゃないだれか


妄想も好きだった。
好きな芸能人と出会ったり、いろんなところに行ったり、夢みたいなことばかり考えていた。
でも、行動はできなかったし自信もなかった。
なぜか。
小さなことですら自分で決めることができなかったから。

あたしはこんなはずじゃない

って、いつも思っていたんだと思う。
本当の自分は違う、もっと楽しいはずだ、幸せなはずだ。
そう思ってた。

なんでなんだろう。
自分じゃない誰かになりたかったんだってことに気がついたとき、考えた。
なんで自分じゃダメだったんだろう。
活発で明るくて、優しくて人気者で友だちがたくさんいる、そんな主人公に、そんな自分になりたかったんじゃないのだろうか。
或いは、今の自分じゃダメだから、今の自分じゃ愛されるわけないからと思っていたのかもしれない。

もっとこうしたらお父さん好きだな。
女の子なんだからこういう風にする方がお母さん好きだな。
そんな風に言われたことが多かった。
今のままのあなたでもいいけど、こうするとより良いよという親のアドバイスだったのかもしれない。
けど、それがいつの間にか「今のままの自分じゃダメなんだ」って変換されたのかもしれない。

私はいつも自分に100点を求めてる。
なので普段の生活も原点方式だった。
あれができないからだめ、これもできてないからだめ。
ゆえに自分にイライラしていたのかもしれない。
そして、他人にもイライラしていた。

そろそろ自分を丸ごと許してあげたい。愛してあげたい。
それにはどうしたらいいのか。
意味もなく、根拠なく、許し、愛せばいい。
ただ、大好きだって思えばいい。
それを今からやってみる。
あたしは、許されているし、愛されている。

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