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子供は覚えてないのに、どうして親は旅をしたくなるのか。人とのご縁で巡った函館旅行。

「人はどうして旅をしたくなるんだろう。」

家族と初めて見る観光地を巡ったり、車で3時間移動する傍ら、窓の外をぼーっと眺めながらそんなことばかり考えていた。

我が家は転勤族。

夫は全国転勤があるから行く先々で3-4年ほど、旅行感覚で色んなところへ旅をする。

3連休以上取れれば、車で3~4時間ドライブすることもザラだ。

そして他のご家庭よりきっと食費が高いであろう、美味しいものが好きなエンゲル係数高めの家族。

だから今日の旅行記にもご飯にまつわるエピソードがいっぱい出てくる。

函館朝食は超絶美味しかったです。こちらは北海道で有名なスープカレー。

今回は函館旅行を通じて「どうして旅をするのか」考えてみた。

といえば聞こえは良いが、もしかすると旅が始まってからすぐに、旅が終わる悲しさを、考えないようにしていただけかもしれない。

何かを考えないと、何かを得ないと、お金と時間をたっぷり使う「旅の意味」がないような気がして。

みなさんは、どうして旅行をしますか?

2歳と5歳の息子たちと旅行に行っても、来年には忘れてしまっていることも分かってるのに、性懲りもなく非日常へと出かける。

でも、私たち(私と夫)はその時間にお金と時間をかけるのが、好きなのだ。

そんな家族の函館旅行記。

「旅は行く前から始まる」は本当

旅行の発端は夫の一言。「11月4連休が取れそうなんだけど、どこか旅行する?」

3年前から北海道に住んでいて、そろそろ転勤がありそうな時期。

道東(釧路、網走、トマム)は夏に行ったし…となると道北?は4日では心もとない。

そこで2年前にとんぼ返りで楽しめなかった、函館に再来することが決定した。

「せっかくなら良いお宿に泊まりたい!」
「美味しいものを食べたい!」
「子供が楽しめる施設にも行きたい!」
「ホテルにプールがあった方が子供が喜ぶかな?」

なんて希望を出してたら、もちろんウッと思わず怯む予算になる。

でも夫の凄いところは「子供たちが喜んでくれる顔が見れればそれで良い」とスパッと言い切るところ。

余談だが、夫には人として生まれ変わっても勝てないと思ってる。

もちろん勝ち負けじゃないけど、それくらい尊敬してるという比喩だ。

函館に住んでいたことがある友人に「函館に行くから、おすすめを教えてください!」と聞いた。

すると、まるで友人が帰省するスケジュールを練るかのように親身に、熱心に、おすすめのお店をスラスラと教えてくれた。

もちろん余すことなく夫にLINEで送り、すべてメモした。

そもそも「こんなに素敵な友人が居ることが、私の人生の宝物だなあ」とも、まだ始まっていない函館旅行に気づかされた。

夫も会社の先輩が函館に住んでいるので、おすすめのお寿司屋さん情報を仕入れたり、先輩ご家族と会う予定も組み込んだ。

こうして準備万端で迎えた函館旅行が始まった。

人とのご縁から得た情報こそが、旅の醍醐味

出発日の朝。11月下旬ということもあり、気温は6度。寒い。

まだ夜明け前に子供たちを車に乗せると、4時間超のドライブが始まった。

計画では車の中で息子たちに寝てもらうはずが、気づけばずっと起きていて、寝たのは母一人という失態。

さらに旅前日の夜、張り切ったテンションで食パン2均分のサンドイッチを作ってしまった。

今朝自分だけ寝坊したことを隠すかのように、食べ盛りの子供たちへ配ってみた。

みんな頑張って食べてくれたからお陰でサンドイッチは売り切れたが、お昼ごはんを食べるお腹の余力も同時に失った。(かなりの反省点)

その後の移動中はフリーランスだからPCを開いてポチポチ返信や仕事を。

話が脱線するが、せっかくの旅行なのに完全オフにできない自分にも嫌になった。

それくらい旅行には全力で挑みたい。

のに現実は毎日走っているフリーランス生活だから、いつの間にか休むのが苦手になってしまった弊害なのか。

旅行に来ても隙間時間で仕事の返信はするし、SNSの更新もする。

でもそうすると「せっかく一緒に来てる家族に申し訳ない」気持ちがムクムクと沸き上がり、罪悪感。

人間って永遠に悩みが尽きない生き物。だなんて思いながらも、パソコンの手は止まらない。

「夫はどう思ってるんだろうな…」と思いつつ、聞くのも怖いしやめるべきなんだろうなと思い、初日以外はPCを閉じることにした。

さて、函館についた。函館1日目は最高だった。

「五稜郭内を歩くよりも、五稜郭タワーの方が楽しめると思う!」という友人の助言をもとに、タワーに上る。

ちょうど下の子が2歳でイヤイヤ期。当然タワー内も大変。

ひとっつも大人しくしていないし、展示も全然読む時間が無いし、目を離せば何枚もパンフレットを手に握って離さない始末。

かと思ったら一緒に自撮りを要請され、モデルのような可愛い写真が撮れて(親バカフィルター)テンションが上がったり。

次はママ友おすすめの、子連れで行きやすいラーメン屋さん。

子供連れで外食をすると、お店屋さんが優しいだけでまた行きたくなるし、満足度も爆上がりするの、私だけじゃないはず。

こちらのお店もおままごとセットや絵本、豆椅子が置いてある小上がりと、とことん子連れに優しかった。

待ち時間をおもちゃで稼げるだけで、どれだけありがたいことか…。

しばらく待って来たラーメンはあさりバターラーメン。

美味しかったんだけど…まじで持参したサンドイッチがお腹を圧迫して残念だった。(2回目)

その後、息子溺愛夫が「子供たちが喜びそう…!」と言って譲らなかったこどもの国へ。

一言でいうと家族経営の遊園地。

5歳の上の子は大満喫したらしいが、母はここでも2歳イヤイヤ期担当だったので、自販機の前で泣きつくす我が子相手に一生懸命

「車で飲んだから今日はもうジュースは買わないよ、車でおやつを食べよう!」

という謎の交渉をした記憶しかない。

ちなみにおやつはカプリコが良いと言われ、もれなく車内も手もチョコレートともなかで、ぐっちゃぐちゃにされた後に

「お汁粉もらったよ~~!」と満面の笑みの5歳児が帰って来た。

我が家は普段、ジュースは全く買わない家。

おやつもあげない日の方が多い。テレビも週末30分しか見せない、ちょいストイック。

それが旅行になると一気に解禁。

朝から甘いものを食べすぎだが、許されることは子供たちも知っている訳だ。

その後は移動してお目当ての函館中心部のホテルに!

このホテルがこだわって選んだだけあって最高だった…。

まず目に入ったのが掘りごたつ式のガラス窓、目の前に倉庫街を眺めながらお茶ができる幸せスペース。

コーヒーを自分で挽いて入れる余裕なんて普段ないから、豆から挽いて味わうこの贅沢な時間…

と締めくくれば綺麗なのだが、現実はなかなか豆を挽き終わらず、息子と交代でひーひー言いながら豆を10分弱かかって挽いた。

しかも気づけば運転に疲れた夫は寝ていた…。

ので残念ながら一人で景色とコーヒーを味わったのが現実だ。

夜は夫の会社の先輩が勧めてくれた、回らないお寿司屋さんへ。

ここのお寿司屋さんが5歳子供も、私も、忘れられない。

実の祖父母宅に行くときよりも優しく出迎えてくれて、子供たちのリクエストにメニューに本来ない納豆巻きも初チャレンジして作ってくださる対象。

ふざけ倒してぶーーっと唾を吐きだして注目されたい2歳児を、親が叱ろうとすると「おっ!そんなことするのか!?」なんて笑ってくれる。

「うちは子供本当に大歓迎だからねえ」とニコニコしてくれる女将さん、ご飯が終わったら、奥からブロックまで出してきてくれた。

「デザートを食べたい」とねだった我が子に、リンゴも5切ずつ向いてくれた。

回らない美味しいお寿司が食べられるだけで感動なのに、「迷惑をかけて申し訳ない…」と一切思わせない接客術、というか子供好き。

子供連れでご飯に行って、こんなに喜んでもらえた経験は生まれて初めてだった。

「体験にお金を払う」という言葉の意味を初めて知った。

函館2日目は、子供にも覚えてもらう工夫を

函館2日目の朝は豪華な朝食から始まった。

函館は「朝食戦争」と言われるほど、豪華で美味しい朝食が有名。

メインだけでなく、脇役とされがちなサラダトッピングまで気を抜かない、朝食バイキングに出会うのは初めてだった。

「まあ、バイキングだからね」と思うような品がひとっつもない。

みんな、機会があったら函館の朝食にはぜひ参戦して欲しい。まじで感動するから。

というか全てご飯が美味しすぎて、胃が二つ欲しかった。

お腹がすいてる時間が無かった。

ということでお腹がパンパンなまま腹ごなしも兼ねて、有名な教会や館を回る。

がここでももちろん2歳児は大人しくしていない。

本当は由来や素晴らしい作りをゆっくり見て、子供たちも興味をもって、親もしっかり説明する。

そんな理想は夢のまた夢。

2歳児の期限を損ねないように、行きたい場所へ一緒に行き、テンションが上がるように乗せながら写真を撮り、雨が降ったアスファルトに大の字になれば夫が回収して抱っこで歩く。

途中いきなり「トイレ!」と言い出し慌ただしく探し回る、大体そんな繰り返し。

夕方は友人おすすめの子供の遊び場へ。

子供って結局、こんな遊び場とかプールとか「楽しいところ」が好きですよね。

ここでようやく上の子とゆっくり時間が取れ、楽しそうにネットをひょいひょい駆け巡り、見えぬ敵と戦う可愛い5歳児を静観していた。

結局、なぜ大変なのに子連れ旅行に行くのか?

まだまだ書ききれない思い出がいっぱいあるが、こうやって函館の楽しい時間はアッという間に過ぎていった。

終始2歳児のイヤイヤに、親が交代でついて回り、暇があれば戦いごっこを始めてどちらかが泣くまで止まらない、家と同じ繰り返しをしている子供たちを連れて旅行に行くのか。

親の楽しみたい場所(美味しいご飯)と子供が好きな場所(遊び場・プール)も違うのに。

普段共働きの我が家は土日たまに家族で過ごせても、やはり旅行の密度とは違うから、というのも答えかもしれない。

「旅行だから」いつもと違う贅沢なホテルを、美味しいご飯を、見たことない観光地でゆっくりできる、非日常を求めるのも一つ。

あとはよくいう「行く前も、行ってる最中も、帰った後も楽しめる」から。だけどこれは親の自己満だとも思う。

でもこれは親の価値観であって、子供たちは別に美味しいものに敏感でもないし、温泉でゆっくりもしたくない。

でもまあ「完璧を目指さなくても、みんなが楽しい気持ちを共有できたらそれでマルなのかな」という結論。

親なんて単純なもので旅行中に子供が一言「ママ、旅行って楽しいね」って呟けばそれで「また旅行に行こう!」と思う生き物。

ちょっとズレるように思えるかもしれないけど、たまに思うんです。

元々、超安定志向だった会社員がフリーランスになった時の考えが、人生全てに通じるなって。

自由に働けるフリーランスになっても、毎日集客や未経験の分野で泥臭く努力する大変さがある。

会社員は守られてるけど、仕事が忙しすぎてプライベートに侵食したり、無理難題を言われたりしては悶々。

結局、何が自分のやりたいことなのか・何が好きなのか・どこでやり抜くと決めるのか。

覚悟とやる気だな、極論。毎日人は老いていっていつか動かなくなる生き物だから、と毎日感じる。

旅行もある意味似ていて、結局「行こうかな?」と思っても計画が面倒で辞める人もいる。

考える時間も、旅行中も幸せいっぱいでワクワクする人もいる。

仕事と一緒で自分で決めて、旅行も人生も自分で決める。

格好良い意味があってもなくても、自分が少しでも幸せを感じられる時間あるなら、それだけで意味のある旅行なのではないだろうか。

というのが今回の函館旅行で考えたこと。

長文、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

#わたしの旅行記

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