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[終了まぎわ!]東京国立近代美術館で楽焼茶碗を見てきました。

『茶碗の中の宇宙、楽家一子相伝の芸術』展が東京国立近代美術館で5/21まで。

樂焼とは

樂焼は、織田信長、豊臣秀吉によって天下統一が図られた安土桃山時代(16世紀)に花開いた桃山文化の中で樂家初代長次郎によってはじめられました。
樂焼の技術のルーツは中国明時代の三彩陶といわれています。この時代には京都を中心に色鮮やかな三彩釉を用いる焼きものが焼かれはじめていましたが、長次郎もその技術をもった焼きもの師の一人であったと考えられています。

長次郎の残した最も古い作品は、本展に出品される二彩獅子、天正2年(1574)春につくられました。おそらく樂茶碗がつくられるのはそれより数年後、天正7年(1579)頃ではないかと考えられています。”
長次郎は茶の湯の大成者である千利休に従い赤樂茶碗、黒樂茶碗を造り樂焼を創設しました。


早速入ってみると薄暗い室内に黒い茶碗が浮きあがり、

なんとも難解に思える。

そこで、想像してみることにした。

ざらっとした質感の茶碗を手にとる。石や岩の様な感触。

この真っ黒なお茶碗をゆっくり傾けていくと、

きめ細かい泡のたった新緑の抹茶が顔を出す。

緑と黒の対比が実に美しい。

そして、唇をつけると夏日の渓流で、日陰の岩に頬を寄せた時の様な

柔らかくもザラっとした感触。

むわっと匂い立つ緑の香り。


じーっとみるめて想像していたら、

岩の間に苔むした風情のある小さな池、をうつしたのがこのお茶碗

の様に思えてきた。


そして3代目になると、

黒茶碗『青山』茶碗は、夜に雨が降ったのだろうか?

濡れて更に黒くなった岩が朝日にキラキラと輝き、中を覗き込むと

水面から反射した光が、荒々しい岩肌をうつしだし

人の手つかずの自然がここに在るようだった。


利休の宇宙は、手のひらの中に「自然」を再現しているようだ、

そんな気分だった。

これらのお茶碗で利休の宇宙を体験したい欲求が溢れだした。

そうだ!2017年は5月2日が八十八夜であった。

早速に新茶を体験せねば!!

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