彼の譲れない条件は「子供を作ること」
私が合コン100本ノックを行っているころ、既に未来の夫とは出会っていた。
好きなアーティストのライブ終了後に、Twitterで知り合ったファンが集って100名規模の盛大な宴会をすることになった。私の友人がその宴会の幹事を務めることになり、芋づる式に私も雑用などを手伝うことに。そして同じく、幹事の一人として名を連ねていたのが夫だ。
誰とでも分け隔てなく仲が良く、初対面の人とも構えずに話すことができる。声が大きく、いじられ役であり、コミュニティのマスコットのような存在だった。(ちゃんと褒め言葉になっているだろうか…?)
宴会が近づくと必然的に連絡を取ることが多くなり、共通の趣味もある。打ち解けるのに時間はかからず、宴会が終わってからも何か理由をつけては、幹事みんなで集まり飲みに行くような関係が続いていた。
40代バツイチ、収入が不安定なクリエーター。
彼に強烈な恋愛感情があったか…と言われると、そんなことはなかった。だが、いつかの宴会で泥酔した彼がこう言ってから、私の何かのスイッチが入ったのは確かだ。
「どうしても、子供がほしい」
彼の離婚理由は、家族計画の不一致だったそうだ。30代前半に恋愛結婚をし、いつかは子供を…と望んでいたが、元妻は夫婦2人で暮らしていくことを望んでいた。同じ未来を見ることができなかった…と。
それを聞いて、ふと思った。
私、この人の子供、産めるぞ、と。
さらに、妻が出て行った分譲マンションのローンを一緒に払える経済力もある。(そしてそれは私が働く肯定条件にもなる。)
●フィーリングが合う
●自分の「譲れない条件(仕事を続ける)」を受け入れてもらえる
●相手の「譲れない条件(子供を持つ)」を受け入れることができる
どんなにたくさんの人と出会っても、満たすことのできなかった条件。それを満たす相手が、他の誰でもない彼だった。
「私たち、付き合いましょう」
と勢いで告白した1年後、私は念願の「働く妻」となったのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?