見出し画像

私の肘

第一子がこの春中学生になります。
もう中学生です。リアルもう中です。
卒業記念に私の肘について、綴ろうと思います。

私の肘、それは第一子のお気に入りの部位

それは生後6か月頃、授乳していた時である。
私の片乳を飲みながら、私の腕に手を添わせてくる第一子。
その手が肘に辿り着くと肘をなでなで、つねつねし出した。
くすぐったいので、手をそっとどけた。
しかし、また私の腕に手を添わせてくる第一子。
また肘に辿り着くと肘をなでなで、つねつねし出した。
反対側の乳に交代。
またまた、私の腕に手を添わせてきて肘に辿り着くとなでなで、つねつねし出した。
同じく、そっとどけてみたがまた肘を探し出し、なでなで、つねつね。
それから毎日授乳の度に肘を探し出す第一子と肘から手をどける私との攻防戦が繰り広げられた。
日々決してあきらめない第一子についに私は負けた。

保育園に通い始めた第一子、肘を恋しがる

1歳になり保育園に通い始めると昼間は授乳もないし、私の肘も触る事はできない。
当時子供乗せ用の自転車で通園していたのが、前に乗っている第一子はハンドルを握る私の肘を触ってくる。
春先はスーツを着ているのでスーツと中のシャツの腕をまくってやった。
私の肘は右と左でちょっと感触が違うようで、左の方が好きらしい。
左の肘をさわさわ、つねつねしながら通園した。
もちろん、迎えに行くと真っ先に肘を探し出してくる。袖口から手を入れてきて肘を探し出し、なでなで、つねつね。
一日肘が恋しかったのだろうと帰りの自転車も肘を触りながら帰った。
夏場は半袖なので肘は触りやすく、冬場は肘まで腕をまくられるとそこそこ寒い。一年中肘を触りながらの自転車通園を続けた。
夜眠る時は肘をなでなで、つねつねしながら眠りについた。

肘は保湿しないで欲しい

だんだん言葉が話せるところまで成長した第一子、ある日風呂上りでお休み前の肘について一言申した。
「今の肘、なんか違う。」
原因はすぐわかった。風呂上りに保湿したのである。
「カサカサしていない。」
第一子は私のカサカサした肘が好きだったのである。
左の方が好きだったのは左の方がカサカサしていたから。
なんてこった。保湿すると怒るので肘のみカサカサしたままにすることにした。

みんな肘は大好きだと思っていた

ある日の第一子、お友達と話しているときに「〇〇ちゃんも寝る時肘触るでしょ?」とあたかも子供は寝る時誰かの肘を触るのが当たり前のような前提で話をしだした。お友達はポカン。
ママさん達も一緒の場だったので、「うちの子は寝る時肘を触るのが好きなんだよ。」と教えるとその子のママさんが「〇〇ちゃんは寝る時は△△と一緒が好きだよ。」と教えてくれた。
第一子、衝撃である。みんな肘が好きだと思っていたのである。
肘が好きなのは自分だけだと知った瞬間であった。

小学生になった第一子、相変わらず肘が好き

小学生になっても肘好きは変わらず、寝る時は私の肘をさわさわ、つねつね。
どこか買い物に行ったりと出かけた時にも時々そばにそっと寄ってきては私の肘をさわさわ、つねつね。肘成分を補充したあとはすっと離れていく。
授業参観に行った際も授業終了と懇談会開始の間にそっと寄ってきて肘をつねつねしてから帰って行った。
小学校低学年の時に「いつまで肘触るの?」と聞いたところ「小学生までかな?」と言っていた。

小学校卒業した今、肘はどうなったのか

そして現在、タイトルの通り「もう中学生」である。
私の肘は相変わらずお気に入りであり、今でも時々眠れない時は私の肘をさわさわ、なでなで、つねつねしている。
「いつまで触るの?」と聞いたら「飽きるまで」と言っていた。
私の肘はもうしばらくカサカサしていないといけないようだ。
飽きるのはいつなのだろうか。その日がくるのがさみしくもある。
4月から新しい環境に飛び込む君のよりどころになるよう母はカサカサの肘を用意しておきます。

…これ、エールになるのかしら(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?