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登録無形文化財に菓銘をもつ生菓子が登録

和菓子屋で10年の修行を経てお店を開いて今月6周年になりました。

京料理とともに菓銘をもつ生菓子(練り切り、こなし)が登録されたそうでこれについて思うことなど書いてみたいと思います。

そもそも練り切り、こなしって何?

こちらから解説してますが、そういえばこなしのこと書いてないのでまた時間のある時にこなしを追加しておきます!とりあえず練り切りの解説↓

練り切りはこしあん(白あん)につなぎとして芋や求肥を加熱し練り上げていく作られたもの

こなしはこしあん(白あん)に小麦粉や米粉などを蒸してこねて(こなし)作られたもの

と、登録解説に書いてありました。

こなしは主に京都で使われているもので練り切りよりはもっちりしてる感じかな。手に蜜をつけてこねることからこなす→こなしと呼ばれるようになったもので練り切りより固めなので細かい細工にはむいてないです。

もともと京都では抽象的なデザインが好まれるのでその必要もないのかもしれませんが。

手に蜜をつけてこねて適度な硬さに調節するので表面が艶やかです、練り切りに比べると。このこねるのがまあ大変。力いります。

和菓子屋さんでも置いてあるところもあるかもですが、昔は関西はこなし、関東は練り切りなんて言われてましたけど今はどちらも使ってるところもあります。

和菓子屋さんでも練り切りやこなし自体店頭に置かなくなってきてるので見つけたらぜひ食べてみてくださいね!

菓銘をもつ生菓子(練り切り、こなし)

菓銘(かめい)とは登録の概要からだと

江戸時代の京都における上菓子(高価な輸入白砂糖を用いた菓子)がルーツ。古典文学で取り上げられた地名、情景を他のものになぞらえて表現する遊びが菓子に取り入れられたもの
文化庁ホームページより抜粋

とあります。で、登録の要件に

菓銘は伝統的な命名に従うものとする
文化庁ホームページより抜粋

とあります。

難しく書いてるな〜つまりは今時なやつは入らないよ?って言いたいって解釈でオッケーなんですか?

菓銘をもつ生菓子ってまたまわりくどいし(練り切り、こなし)概要読むとこの2種限定みたいです。

菓銘をもつ生菓子だけだと、外郎とか求肥とか上生菓子と呼ばれるもの全部入っちゃうから鍵カッコつけて限定したのかな?

守りに入る

菓銘をもつ生菓子が登録無形文化遺産に!と聞いて上生菓子全般かあと思ってたら練り切りとこなしだけでした。

まあ上生菓子といえば練り切り!という感じなんでわかるんですけどすごい守りに入ってるなという印象です。

最近練り切りアートなど、なんだか粘土細工のようなものが出てきたからかな?とちょっと邪推しちゃいました。

なので菓銘をもつという言葉を入れたのかなあと。

自分の憶測ですのであしからず。

一線を引くために?

京料理もきっと同じなのかな?概要にあるもの以外は認めませんみたいな。

製法もきちんと書かれてこういうふうに作られたものを指しますよ、これ以外は違いますよーってことなんでしょうか。

なんだか絶滅危惧種に入っちゃったような気がするのは気のせいでしょうか?

残したいとか守りたいってのは分かるんですけど、なんだかますます遠くにいっちゃうような気もします。

お店であまり練り切り見かけないのもお菓子屋さんが店頭に置かないのも、もう選ばれてないからつまり売れないから置いてないのであって、練り切りアートのようなかわいい見た目だと売れてるんですよね。菓銘のないようなものが。

私ももっと食べやすくするために変化球入れたりしてますけど、こういうのは概要からすると入らない部類になっちゃう。

自分としてはあまり守りすぎるとほんとに絶滅しちゃうよーって危惧してます。

でも和菓子業界では喜ばしいことのようなので…

まあ私は新参者だし、和菓子屋何代目でもないし、よく言えば創業者だけど(笑)一代限りの!そんなやつが和菓子語るな!って言われそうだけど。

そういえば修行中も老舗が何たるかをわかってないみたいなこと言われたことあるな…(生クリーム使おう!と提案しただけ)

練り切りってなんですか?

ってよく言われるんですけど、今度から登録無形文化遺産です!って言えるな。

それすら何?って説明がいりそうだけど…なんかすごいものなんですか!?ってなるかな?

中も外もあんこでできたお菓子ですよ〜っていつも説明してます。

もう遺産とか言っちゃってる…いや、私はこれからも新参者らしく変わり種練り切りをやってバリバリの現役ですよ!!と言いたいです。

↓攻めていきます!

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