お菓子の季節感
和菓子屋で10年の修行を経てお店が6周年になりました。
なんとなく、気候変動で季節がズレてきてるような気がしてるのですが、お菓子も季節感がなくなりつつあるなあというお話しです。
体感的に春と秋がどちらかよりになってる感がしてるのですがどうでしょうか?
今年はわりと秋が楽しめてますがいきなり冬になったり夏になったりする!って思う年なかったですか?
春と秋ってお菓子でも1番扱いやすい時期で色んな行事があるんですよね。
昔は生活の中に和菓子があったのでおうちでおはぎを作ったり、餅をついたりしてたのに、だんだんお店のものになり、そしてなくなりつつあるような気がします。
お店のものになるのはいいんですよ(笑)そのためにあるようなものだし。
そのお店のものすら選ばれなくなってるなーということです。
おはぎも年中あるし、スーパーには桜餅とかあったりするし…。
この時期、季節になると食べるものとしての価値が薄れてきてる。
そもそもそこに価値も感じなくなってきてるというか。
和菓子屋は季節を先取りして販売するので、もうすぐ春だなあとかもうおはぎの季節かあとかお店に行くとそういう風に感じるんですよね。
私は小さい頃もそういうの餅つきくらいしかなかったので和菓子屋で働いて知ったくらいなので、選ばれないのはわかる。
おせちもそうですよね、もう店のものになりつつある。
現代人は忙しいですから
無理に残そうなんて思っても、もう私の時ですらなかったですから残るわけがない。
なんだかそれも寂しい気もするし、季節を感じるお菓子っていいなあと思って、おはぎもお彼岸限定にしたり、ちまきや桜餅も限定にして販売してます。
その時期にしかないものとして扱ってます。
たまにこういう風にしてると嫌な顔されることあります。
えっ?おはぎもうやってないの?って。うち6日間しかやらないので笑
季節感がいいなあなんて思ってるのは作り手であってお客さんは皆そういうわけではない。いつもあってほしい。
ほんとに作り手のわがままなのかもしれません。
お客さんの言う通りいつもあったほうが喜ばれるのかもしれない。
私は和菓子の世界に入ってこの時期に食べるとか、こう言う意味があると知って「すごいいい!!なんで今まで知らなかったんだろう!」と思ったクチなので、そんな風に今度は自分が人に伝えることができたらいいなあと思ってるんですけど…
道のりは険しいです。
この先何十年後か何百年後かに季節がなくなっていくようなことになっても、この時はこんな季節でこういうの食べてたんだよっていう形でだけでも残っていればいいな。
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