今日もまた恋に落ちるかの様〜博士の愛したセオリー〜


今日の夜映画は「博士と彼女のセオリー」
ジェームズ.マーシュ監督 2014年の作品

"理論物理学"の教授であったスティーヴン.ホーキングと元妻ジェーンの一生を描いた作品である。


映画の全体的な印象としては、どこかひんやりとしていて乾いている。
きっとjohann johannssonの音楽がそれを彷彿させる。
言葉では表現しきれないほどのもどかしい気持ちを
凛として澄んだ空気感が包み込んでいて
主人公夫婦の姿があまりにも美しく映った


神経障害を患っていたスティーブン。自分では逆らえない身体の変化に対し
怒り、困惑し、周囲を拒絶するようになる。
しかしジェーンの存在が
崩れてしまった彼の生活を復興し、
スティーブンは次第に生きることの楽しさを取り戻していく。

物語の中でスティーブンは’’時間のはじまり’’についての研究を続け、その答えを追い求め続けた。
当時21歳だった彼が告げられた2年という短すぎる寿命は空言だったかのように、彼は2018年76歳まで人生を全うし、生涯の幕を閉じる。

映画では
彼の業績の凄さや、天才的な感性を取り上げて描くのではなく…
ただ彼や、彼の周囲の人々の「生き方」「人間として素直な感情」をより現実的に、飾りすぎることなく表現されていた。

映画で感じた彼の一生は、人知れず静かに降り積もる雪の様に、密やかで、美しく、気づいた時には驚きと喜びに満ちる。そんな感覚だった。

少し湿っぽい夜に、そっと隣に座ってくれて話を聞いてくれる
この映画はそんな存在の様に感じた。



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