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なみだのある風景

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「詩」の置き場です
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#詩

詩「はみ出してるもの」

ごぼうと長ねぎがレジ袋からはみ出してる フランスパンとセロリをエコバッグからはみ出させた…

詩「没落」

きれいごとばかりじゃないのはわかっている 白を黒と言わなきゃならないことだってある 表情…

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詩「スコール」

やがて虹を連れてくるスコールのように感情をほどいて泣くわたしは 我慢できる痛みでナースコ…

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詩「崩壊」

腹筋は崩壊しないし 涙腺も崩壊しない 感情が震えれば仰々しくなく笑い 縺れることなく泣く …

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詩「根拠」

根拠のない まかせて と 根拠のない 大丈夫さ に 根拠のない 自信を携え 根拠のない 初恋を…

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詩「目的」

物干し竿にぶら下げられた烏よけのCDと、地面に倒れた猫避けのペットボトルが輝きを失い、役割…

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詩「躊躇」

泣くまい 泣き出す まい 躊躇に 躊躇を 重ねる 涙が一粒 サイダーの泡 に落ち 躊躇なく 泡が包み込み おしまい

詩「加減」

母の塩加減  おにぎりの 父の手加減 キャッチボールの 僕のいい加減  別れる理由になる…

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詩「いつかどこかで」

いつ どこで 無くしたか わからない 恥じらい いつか どこかで 取り戻せたら いいね 恋も い…

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詩「気配」

気配がする  夏の ライラックが咲いている  色とりどりの 気配がする  涙の 雨が降る前の…

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詩「埋める」

校庭と空がいつもより広い テスト最中に眺める窓の外 空白は埋めたくなるけれど 空欄は埋めた…

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詩「春の終わり、そびれる」

寝そびれた 子供が 泣きそびれた 大人を 見つめている 春の終わりを 憂うかのような 眼差しで…

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詩「抱く抱きしめる」

君を抱きしめられなくなって 散り際の桜の幹を抱きしめてみた まださみしかったから帰り道 陽…

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詩「嘘つき」

記憶は 嘘つきで 涙もまた 嘘つきだ 泣いてる わたしを 傍観してる わたし 背面跳びで バーを越えるとき 空を見る余裕のある わたし