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【映画】《PG15》「このろくでもない世界で」⚠️ネタバレ感想⚠️

パンフないみたいなんで、チラシで⋯⋯。

や、やるせない⋯⋯。

チラシでたまたま知った作品だったけど、観て良かった。本当に良かった。

主人公のヨンギュは、再婚した父親が会社が上手くいかないて酒に溺れ、何かと因縁つけては手を上げることが日常茶飯事。
冒頭シーンであった、義理の妹がいじめられていたことで、石で殴りつけ、そのいじめた相手にクスリは吸われるし、その仲間たちに散々殴られ、蹴られ。
さらにバイト先では、その父親に石で殴りつけた相手から"しつけがなってない"と電話がきたということからバットで殴られた痕が顔にあったことで、クレームがあったからとクビにさせられ。

あまりにも散々なヨンギュの元に、そのバイト先でたまたま客として来ていた、後のアニキと慕う相手から示談金300万ウォン(その殴りつけた親から言われているらしい)(日本円でとのぐらい?)をその舎弟を介して何故かもらう。

何故かもらうわけなんですわ。全くもって接点のない人から急にそんな大金を何故?と私も思ったら、アニキの境遇と同情かららしい。

裏社会の人間が?? と疑問が残りつつ、バイト先がなくなった主人公は、藁にもすがる思いでその事務所に己の身一つでやってくる。

急に当たって砕けろが本当、怖いんですけど、そのアニキ、急にやってきた主人公に対して、デロッデロに甘いんだわ。

舎弟のスンムが何か言ってきても何かと庇うし、何かと世話を焼く。
なんだこのアニキ、すごく推せる⋯⋯。

ヨンギュがバイトしていた時に出前をいつも一つ分しか頼まない親子のうちの父親が、利子を割引させる"仕事"として、タクシーの運転手を偽り、議員を乗せ、何か余計なことを言ったら、電話をしろという依頼を受けた時、その父親がその裏社会の人達のことを俺のことを庇って、息子は入院中してんだ、何とかしてくれと言って、躊躇していた際、車の後ろの荷物から出てきて、何をしているとスンムが出てこようとしたのをアニキはヨンギュのことを信用しているような、引き止めた時、ヨンギュは、咄嗟に議員の隣に入ってきては、睡眠薬?を飲ませにいったりして、このシーンはやってんなと驚き、すごいと思った。

けど、町長?にしようとした人が突然辞めると言い出した時、その町長からお金を受け取ったのはいいものの、ボスが裏切り行為だからと処分しろと命令がくだされた時から話が思わぬ展開し、誰かバイクに細工したことで、ヨンギュは転倒し、せっかく受け取ったお金がその道路下に流れている川に流れていってしまったり⋯⋯。

そのバイクに細工したのは、最初、ヨンギュに何度も目にかけていることで嫉妬している舎弟のスンムかと思ったら(チゴンアニキもそう思って袋にパンパンに詰めた釘でぶん殴ったり⋯⋯)、自分のことを庇ったせいで返事もしてくれない息子のあの父親だったようで、因果応報(バイクも盗んだしね)に因果応報だった。

お金を流してしまったし、けじめとして手首を切り落とすしかないとアニキに言われた時は、他の舎弟らに無理やり戻されそうになっては逃げたり、お母さんに助けを求めようとしたり、挙句、妹に助けを求めては、一緒に事務所来て、妹を差し出したり。

最後辺りなのだけど、この辺りになってくるとヨンギュがクソのクソに思えてくるわけだけど、まだ18歳で子どもだと思うところ、まだ裏社会に染まりきってない青いやつだと思うところ、どうにかこうにか許しを乞う姿が憐れに思う。

アニキがバイクを戻したけじめとして、爪を剥がそうとした(「かわいそうだと思わないんですか」と言うヨンギュにアニキは代わりに自身の爪を剥いだ結果になるのだけど、アニキ体張りすぎです⋯⋯)のと同じことをして、一旦終わったかと思えば、紙切る機械(日本にもあるけど、名前なんだっけ⋯⋯)で指を切ろうとして、アニキが電話では手首を切り落とさなければならないと言っていたもんだから、自分でけじめをつけようとするヨンギュにまさかやると思わなかったと言わんばかりのアニキの慌てて止めるところを、止めるなと、取っ組み合いが始まり、いつしかそのアニキを止めようとして、キリ?のようなもので刺した。

え⋯⋯と思った。あまりにも興奮しすぎて、理性を失ってしまったかと思ったが、人ってここまでくるとそんなことをしてしまうのかと思った。

喉より下辺りを刺して、さすがにやりすぎたと思ったヨンギュに、アニキはそれでもその手を強く握って、今度は喉を⋯⋯。

なんでそんな捨て身の覚悟の人なんだ、何もそこまでしなくても。
一番しなくてはならないのはヨンギュだったのにどうして⋯⋯(ここで涙ぐむ)

アニキを手をかけたヨンギュは、妹と共に家に帰ってきたら、奥の部屋で母親が⋯⋯。

後からふらふらと帰ってきた父親が娘が何かあったのかと思って、妻に手をかけたようだった。

こういう部分も因果応報なのだと思う。アニキに手をかけたから⋯⋯。

なんだ韓国映画は。パラサイトといい救われない物語が性癖なんですか⋯⋯すごく良かった。

しばらくすんすん鼻を啜っていた⋯⋯( ; ; )

アニキの過去も散々だったようで、耳が切れているのは最初、抗争があって、その際に銃弾が掠ったのかと思ったら、小さい頃、父親が湖の浮島に置いていき(そんなことをする意味がわからんが⋯⋯)、その際に溺れ、たまたま釣りに来ていた人の釣り針に引っかかったもののようで。
振り返ると、ヨンギュの缶にはかつて母親を連れて、今よりも幸せになれるオランダへの希望と夢が詰まっていて、チゴンアニキの木箱にはあの時死んだと言う釣り針が二つ入っていて、親子のようで、命拾いしたものである物で、死と再生の象徴⋯⋯上手くいえないけど、彼らの人には見せない秘密の箱にはそんな意味合いがあるのかなって。

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