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いつか私は猫になってしまうよ

久しぶりに文章を書くのです。

実は明日が仕事始めだから、今日は早めに寝ようと思っていたのだけれども、時間をかけずに書くにはちょうど良い時期な気もしたし、一個目の記事をいつか書こうと大事にしていたらいつまでも書かないような気がして。

最初は猫のことを書こうと思いました。

私は彼女が大好きでした。彼女も私が大好きだった。彼女とは、もちろん私の飼い猫で、もうずいぶん前に亡くなってしまった、私のことを無条件で愛してくれた彼女のことです。

彼女が全力で私に愛を注いでくれたせいで、私は彼女がいなくなってからの方がより猫という生き物に執着しています。それこそ視界を掠める、ありとあらゆる猫がふてぶてしく闊歩する様に「元気で良かった」と安堵してしまうほどに。

これって伝わりますか。

猫というだけでどういう存在も彼女のかけらに見える感覚。

伝わるといいな、好きな人を思い出させるものが全部特別に変わることってあるでしょう? 色や香りや食べ物とか、それまで全然普通だったのに、好きな人がそれ好きだってわかった段階でいきなり全部クラスアップしちゃったよみたいな。合ってるかな、ちょっと違うかな。でもそういうクラスアップです。私の中では猫最強。

からだの丸みがどうだとか、毛並みがどうだとうか、そういう種族としての長所を語るのは誰かに任せるとして、私はひたすら彼女への愛を叫びたい。

だっていまだに夢で会うんだもの。どんな姿してたって、猫の形してたらやっぱり彼女なんだもの。さわったらわかるよ。声だって思い出せるもん。抱き上げたらくるんと丸くなる、肩に爪が食いこむ感覚だって覚えてる。

彼女がいなくなったのは、もう八年も前のことみたいです。その頃の私は大きな変化の中にいて、彼女がいなくなったことをきっかけに ── というか、彼女を養っていかなくても良くなったことがきっかけで家を出たし、離婚したし(離婚はさすがに彼女が原因ではないよ!)、正社員として雇用されもしました。

彼女がいなくなったのでひとりだったんです。当時は身軽すぎて笑っちゃうくらいだったな。だって、どこを見たって私だけで世界が完結しちゃうような存在はひとつもない。いや重いんですよ、猫の愛って。本当に純愛っていうか独占欲強いっていうか、ああでも愛って感じでもないのかな、自己犠牲的ではないもんな。とにかく、ひたすら絶対的な信頼を寄せられてる感が強かったです。しかも私にだけ。いや重かった。

彼女の愛し方を覚えてます。なくしちゃったから、年々美化されてる気もするんだけど、すごくかわいかったな。おかげでたまに真似しちゃう。そうしようと思ってやってるわけじゃないんだよ、でもなんかそうなっちゃう。猫って親しい相手にはとっても親しげにするでしょう?そういう感じ。あなたは私の特別な相手です!って恭しく主張するあの感じ。

けっこう真剣にいつか猫になりたいと憧れてる。つまりは今好きな人がいるって、そういう話かな。もし今彼女がいたら、違う誰かの匂いをつけてくる私に嫉妬して、近所迷惑な大声で鳴くのかも。

私が好きでしょ知ってるのよって全力で甘えて主張する。多分猫好きは全員知っている表現方法。猫の愛最強です。ああ、彼女に会いたい。

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