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こどもの感性に向き合うということ

R4年度は、ひとり歩きができる3歳までの子どもとその保護者を対象に、那珂川市ふれあいこども館の築山で外遊び企画「とことこ野遊び」をしました。(R4年度各回の実施報告はこちらから)*R5年度も実施

近年子どもから大人まで自然に触れる機会が減り、わざわざ出かけなくては自然体験ができない時代になってきているように思います。「とことこ野遊び」では、自然案内人と一緒に築山で遊ぶことで、未就学児とその保護者が身近な自然への接し方やその楽しみ方を知ることを目的としています。「子どもをどうやって自然の中で遊ばせればいいのか?」そんな保護者の疑問を解決する時間にもしていきたいと考え企画しました。

今回の記事ではその中で、こどもたちの感性にどう寄り添っていくかについて書こうと思います。

みなさんは、0歳から3歳がどんな年齢か想像がつくでしょうか?
この時期のこどもたちは、「一緒に何かをする」よりも「個別に楽しむ」感じです。まだ道具類をうまく使えませんが、気になった事にじ〜っと向き合う力があります。例えば、公園に行っても遊具で遊ばずに「ひたすらダンゴムシをつかまえる」なんてことも。
大人はというと、 ”つい” いろいろ準備しがちです。

よかれと思って「与えて」
→ 子どもが「遊ばなくて(気に入らなくて)」
→大人も子どもも「なんだか嫌な気持ちになる」

みたいな悪循環に陥ることもあるのではないでしょうか?(例えば、水族館に連れて行ってせっかくイルカショーに並んだのに、入り口の魚の水槽に戻りたがったり、じっとしてなかったりする)
大人の方から「これやってみたら?」「あ!あそこに〇〇あるよ!」と子どもが興味を持ちそうなものを探しては声をかけている。そんな風景をよく見ます(私自身も息子によくします 笑)
もちろん、そうやって声をかけることで子どもの視野が広がることもあります。ただ、とことこ野遊び中は「その場にある、子どもが気になったものを、その子のペースで好きなだけさせる。」を体験できるような時間になるように心がけています。私はいつも「こどもたちにまかせて好きなように過ごさせてあげてください。危ないこと以外はなんでもやらせてあげてください」と言います。

「ふわふわだね」って楽しんでました

築山の芝生を踏んで木漏れ日に目をパチパチさせたり、吹いてくる風を全身で受け止めてじっとしていたり、ただひたすらに芝生の手触りを楽しんでいる子もいました。
そんなときは大人はそばでじっと待って、その子が何を見て何を感じているのか寄り添って声をかけてあげられるといいですね。
自分の子だけが築山の真ん中や端っこでぼーっとしていると、つい不安に思うこともあるかもしれませんが、大丈夫です。

髪を揺らす風の心地よさも、草がゆれる様子も、何もかも家の中にはないものです。そのどれに彼ら彼女らの感性がひらかれているのか、大人はそばで寄り添って観察してみてください。家事や仕事に追われ、なかなかじっくり子どものことを観察する時間ってとれなかったりします。こういった機会を利用して新たな一面を発見してもらえたらなぁなんて思います。

今年度は 中ノ島公園 (福岡県那珂川市)で3歳までを対象に 森あそび をします。子どもたちの感性に寄り添いつつ、大人の皆様にも森ですごす気持ちよさを感じてもらえれば嬉しいです。



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