どこまでいっても人は人

世の中がどれだけ発展しようと、
まだ進歩の可能性を秘めていようと、
多様性を尊重しようと、
いかなるルールを決めようと、
結局、人は人のままだ。

多くの合理的な知識を手に入れたとしても、
いざとなれば、感情的で非合理な判断を下す。

本能を理性で完全に覆い尽くすことはできない。

意図的か偶発的かに関わらず過ちを犯す。

一部の大きな欲望、理想、夢を持つ人に、
他の多くの人が影響され、刺激され、振り回される。

国、文化、思想、能力、年齢、性別など、
完全に人同士の垣根を取り去ることはできない。

傲慢、怠惰、欲望、憎悪、錯誤、欺瞞、狼藉。

ただ地球に生きているだけの一生物に過ぎないのに、
人は人を尊いと考えている。

どこまでいっても、人はその不完全な肉体と精神から解放されない。

もう「人は、人類はこうでなければならない」と考えるのはやめよう。
ふと、そう思った。

不完全な人を否定して苦しむより、受け入れてしまった方が楽だ。

「自分の使命」「人生の意味」を持ち合わせていないなら、
自分を悩ませているそれらを意識の外に捨て去り、
一生物として、気の赴くまま、好きなように生きる。

そうすれば、このどうしようもない虚無感に別れを告げて、
自分が満足するだけの生活が手に入るのではないかと、
不完全な私は根拠もなくそう思いたい。

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