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【プレイオフを振り返る】#0 概観

こんにちは。
確実に今季ベストゲームの1つだった2/15のGSW戦にテンションの上がっていたMameです。ケナードの3Pコンテスト、惜しかったですね。

今回から勝手に『プレイオフを振り返る』シリーズと題して、2020-21シーズンのプレイオフの内容を見返しながら、今期のクリッパーズのチーム作りの基礎となった成功体験・課題について考えていこうと思います。

前回の自己紹介記事にて記載の通り、筆者はセットオフェンスや戦術に明るい訳ではない為、データで見えるような領域について深堀りしていく予定で、考察対象は主にLACのDF面にする予定です。具体的には、以下の項目なんかを想定しています。

  • スモールボールの効用

  • ティロン・ルーの選手起用

  • ドンチッチ(大型オールラウンダー)対策

今回は『【プレイオフを振り返る】 #0 概観』と題して、個別のGameの内容に入る前に、両チームのスタイルを確認し、大枠をつかもうと思います。


クリッパーズのスモールボール

ビックマンを起用せず、コートに立つ全員が、OFではスリーポイントを、DFではオールスイッチに対応できる機動力を備えたメンバーで固めるスモールボールですが、昨年はプレイオフを通じて、「スモールボールで勝った」という印象を持つLACファンの方も多いと思いますし、今さら言われなくとも・・・、といった感じかと思います。

以下の表は、DALとUTAとのシリーズにおけるズバッチ、イバカの出場時間、そしてその2名のいずれもが出場していないスモールボールの時間帯の推移を示したものです。

イバカを怪我で欠いた影響もあるとはいえ、DAL戦・UTA戦の何れも、シリーズが進むにつれてスモールボールの時間帯を増やしていったことは明白で、最終戦では40分以上をスモールボールで戦っており、これが勝利に繋がっています。
なお、両シリーズを通じて、スモールボールの平均採用時間は34分でした。

上記の情報を踏まえると、以下のような見方もできます。

DAL・UTAとのシリーズ全13試合において、
スモールボールを30分以上展開した試合では8勝1敗(勝率88.9%)
スモールボールを30分未満展開した試合では0勝4敗

statsmuse風(笑)

スモールボール、強し!!!

レギュラーシーズンにおけるセンター陣の出場時間はそこまで低くなく、ズバッチは22.3分、イバカは23.3分それぞれあったことから、30分以上のスモールボールが如何に意図的になされたかがわかります。

スモールボールは攻守ともに脅威になっており、各シリーズの得点と失点をそれぞれ単純平均すると、

スモールボールを30分以上展開した試合では、
 平均得点は118点、失点は106点(+12)
スモールボールを30分未満展開した試合では、
 平均得点は108点、失点は114点(-6)

という結果になり、相手にとって非常に脅威であるといえます。

クリッパーズがスモールの時間帯を増やしていくのに反して、DALはシリーズ終盤でボバンマリヤノビッチ(221cm)の出場時間を、UTAはゴベア(215.9cm)の出場時間を増やしており、ビッグvsスモールの構造は、見ていて非常に面白かったのを覚えています。



マーベリックスのチームスタイル

最後に、対戦相手であるDALの概要も確認しておきます。
以下に、2020-21レギュラーシーズンのマブスの主要スタッツをまとめています。

棒グラフが右まで伸びているところがチームの長所です。ドンチッチを中心に、効率的なオフェンスを展開するチームであり、TOV%・eFG%ともにリーグトップ10です。

どんなオフェンスを展開しているのか、内訳も見ていきます。

レーダーチャートについては、EFG%を実際の数値で表してしまうと、CutやP&R Rollmanが最もEFG%が高くあたかもそれが最も秀でたオフェンスに見えてしまうため、ここでは各PlaytypeのEFG%のリーグにおける”順位”を参照し、いかにリーグの中でも効率的に扱えているかを表現しています。

ピンク色のEFG%は全体的に広がっているのでは、どんなオフェンスを展開しようとある程度の効率性を保てていることがわかります。

他方、どんなチームなのかを把握する為に青色のFREQを見ていくと、P&RのハンドラーとSpotupが中心のチームだということがわかります。これは皆さんお察しの通り、ルカ・ドンチッチによるところが大きいです。

ルカ・ドンチッチの2020-21レギュラーシーズンの実績に目を移すと、

Isolation:FREQは16.7%でリーグ15位、EFG%は55.5%でリーグ2位
P&R Handler:FREQは47.7%でリーグ6位、EFG%は56.4%でリーグ3位

※Isolationは3ポゼッション以上+40試合以上出場、P&Rは5ポゼッション以上+40試合以上出場でソートしています

恐ろしい。。。。
何れも非常に強力で、ピックを使おうがアイソレーションをしようがEFG%がほぼ変わらないというのは驚異的です。
チームとしてSpotupのFREQが高いのも、ルカドンチッチが容易にギャップを作り、良いパスを供給してくれるからです。

SpotupのEFG%は、ピンク色のチャートを見るとリーグでも中位に見えますが、そもそも効率性の高いPlaytypeであり、EFG%自体は53.4%と高いため、ドンチッチの脅威とSpotupの脅威をどう止めるか、あるいはどちらかを捨てることになのか、DFは悩むことになります。


最後に

ということで、LACとDALの基本的なスタイルについて少し触れてみました。次回から、個別のGameの内容に触れていければと思います。

余談ですが、Playoffを見ていた最中は、本当にルカが嫌いになりそうでした。。。それだけ驚異的でしたし、今回色々とスタッツを自分で取ってみたのですが、とんでもない選手であることを再認識しています。

願わくば、来年こそはDALと当たらないことを祈りながら、カワイとポジョとパウエルの復帰を待ちつつ、今シーズンのプレイイン進出を応援したいと思います。

今回もご覧いただいた方、ありがとうございました!!!

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