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「出会ったのが、ここじゃなかったら、絶対知り合いになってないや。」

ちゃんと生きてる?

そんな手書きのメッセージで紹介されているのは、本棚に並べられた漫画だ。

ここの本棚に並んでいるものは、そのほとんどが店長のものらしい。

ジャンルはバラバラ。
少年・少女漫画、ちょっと目をはばかるような成人向けのものまで。
媒体も、漫画だけじゃなくて、小説、辞書、学術書、地図や絵や建築物の写真集、絵本etc.

内容に至っては、もはや何がなんやら。
ほとんどの世界の教養の全部がここに並んでるんじゃないかって思うくらい。

その中の一つ。
タイトルは、「3月のライオン」

ちゃんと生きてる❓

メッセージが気になって、一巻を手に取っていた。

手に取ってから、(あっ)ってなった。

最初から予定してたとばかりに何食わぬ顔で席に着く。

あとは、あっという間で…。

店長に、帰り際に声をかけた。

どうしてバラバラなものを置いてるんですかって。

店長は、
どんなものが人の心に触れるかわからないからね。
だから、色々なものを置いてるんだ。
どれも、ぼくが心動かされたものばかりだよ。

店長の話し方は、なんていうか芝居じみた感じだったけれど、その時は感傷的だったから、気にはならなかった。
帰りに、思い出してクスってなった。
変な人って思った。

あとこんなことも言ってたな。

ここに置いてるのは、どれも頑張って生きようって思わせてくれる作品ばかりだよ。
気になったものがあったら、買わなくてもても上の階で読んでくれたらいいよ。

そう言って上を指す。

また来ます。
ドアに手をかけた時、うしろから

ぼくは生きるのが大好きなんだよ。
また来てね。

バタン。
外はシンとしていた。
時間が流れを気にしてなかった。

気にしないことばかりだ。

「出会ったのが、ここじゃなかったら、絶対知り合いになってないや。」

感想はそんなもの。

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