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きれいな仕事?つまらない仕事?

こんにちは、ご無沙汰しております。おさんぽです。

二月もいよいよ終わり、三月に。
日差しは柔らかくなってきましたが、まだまだ寒いです。
私、梅の花をながめながら、ダウンに手袋で武装し、散歩しております❣

二月の空

さて、ご存じの方もおられるかもしれませんが、
三月三日の ひな祭り前後1週間は「女性の健康週間」です。

日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が、女性の 生涯に亘る健康を支援しようと2005年に始めた活動で、2008年からは厚生労働省も加わって広く
呼びかけられるようになったものです。

このところ、日本のジェンダー、性差認識についての報道をよく目にしますが、
これは、私が申すまでもなく 長い間ここに存在した問題であって、これまでにも 公、民で様々な啓発や支援の取り組みが行われ、少しずついろんなことが変わってきていたが、まだ途上にあった。それがこのタイミングで
耳目を集め、「進め、オッセオッセ」 という感じ、でしょうか。

SNSが浸透し、これまで 声をあげられなかった、或いは、かき消されてしまっていた 社会的に弱い立場にいる人の声に リアルタイムで気づくことができるようになったし、また一方でそれに呼応するアクションも注目されやすく、参加しやすくなったこと。
このことは なにもジェンダー問題に限らず、広く社会にある課題を解決するために、強い追い風になっていますね。
ですから、
「女性の健康週間」です、さあ、考えてね!っていうのも 「はっ?今更ですか?」って感じではあります。が、これまでの流れは、

家族の健康を支える側であることが多く、自分の健康を顧みることの少ない女性自身も、自身を労ってください、この機会に、ご家族で、身近な女性の心身の健康について、考えたり話したりする時間を持ってくださいねーという趣旨の活動(国民運動というのだそう)で、各地でセミナーや講演会などが行われてきたんです。
今後については、分かりませんが、
今年は、オンラインでセミナーが開催されます。
残念ながら、申し込み受け付けは終了しているのですが、内容の紹介だけ貼っておきます。

先に述べた、SNS発信では、時に混乱が生じることもあり、情報の信頼性が高くなければ、振り回されるだけなんですよね。
私も注意しなければ、と思っています、はい。皆様もご注意ください。

以前、私の転職顛末記を書きました。

私、ただのパート薬剤師なんですが、

どこにでもある薬局が、地域の健康支援のつなぎ役として、信頼でき、かつ利用価値の高い情報をお知らせできればいいな、と個人で発信しております。
ちょっと(?)変わった薬局の婆さんです。
ですが、このような発信は 他にもたくさんありまして。

とすれば、変わっている、って何がですか?
なんでしょうね?

薬局という小売業の特性は、外の人はあまりご存じないと思いますが
中の人にとっては、あまりに当たり前なので あえて話題にもならない。

私 おさんぽ が変わっている点は、たぶん
中にいて、「敢えて話題にすること」 でしょうかね。
面倒(考える材料)を引っ張ってくるので。
暇なんですね⇒そうです。婆さんなんで、すみません。

扱うものが、害にもなりうる訳ですから、決まりごとをきっちり守るのは、当然です。 
すべきこと、できること、そして できないこと、は決まっていて その固い集合のなかで都合がいいように なっている(なってきた)ので、
集合を柔らかくして、自分たちで出来ることを拡げる、繋げる ことは、
法改正でもなければ、まず ないし、改正対応は横並びになります。
ここで一つ注意ですが、
ドラッグストアは「世のニーズを汲む」小売りのトップランナーですから、併設された調剤部門であっても、話が全く違う とは思います、はい。

もう少し 説明。

薬を売っている ことに間違いないのですが、
処方箋調剤の場合は、医師の指示を受けて お客様に薬を売る。
あー、引き換え窓口ね。
基本的にはそうです。しかし、
モノが薬ですから、薬局でもお尋ねしたり確認したりもします。
処方箋には載ってないので、患者様の訴えと医師の意図が合致しているかどうかを 薬剤師が確認させて頂きます。
治療を求めて来られた方 と 処方する医師 双方から信頼していただくこと。それが大事で、そのために必要なことが優先で、大体は、それで終始なんですね。
今の仕事で、いっぱいいっぱい。
なんですが
固い防衛線を維持しながらも、柔らかく変化する波に乗っていくことはできないか?
今の店舗、この職種とその連なりのこと(利益)だけ考えるのではなくて
今と少し先の未来に 仕事を通して貢献できること なにか改善できないかな?そして、ニーズに適したサポートで利益を上げることはできないだろうか?私達も、地域の人として生きているのだから。

今回も、「変わってる」中の人の視点を あれこれ書いてみたいと思います。長文ですが、どうかお付き合いください。

・目次・
*薬局って、なんでこうなの?健康サポート?
*薬局を利用するのはおじいちゃんとお婆ちゃんだけなのか
*利便性を上げ、収入も上げることはできないか

といった内容で、またも順不同になりますー。毎度いいかげんな書き始めで、すみません。


イメージ、なんですが、薬局を たまに利用される方にとって、
薬局は、処方箋持っていくところ。風邪の薬を出すだけなのに
何で待たせる?何で、色々聞く?疲れた疲れたー
あれもできる、とか なんとかサポートとかじゃなくて、
何で?っていう部分、それをまず、なんとかしてくれ。

普通にそう思うんですよ。
でも薬局の中にいると、利用者のイメージに到達しにくい(努力不足なんですが)ですし、まあ酌むべき事情がある とはいえ
‟もう少しお待ちください、、、申し訳ありません"その繰り返しで。
中には
自ら質問事項を用意して薬局にいらっしゃる方もおられますし、色んな利用者がおられるんですが、全ての方にとって抜群に利用しやすくするのはどうも困難です。
ある程度、平らな対応になってしまうことも致し方ないです。

法改正もあり、コロナ対応もあり、商品は薬剤ですから、するべき手順がある程度決まっているのと、確認することもいくつかあり、数種類の風邪薬であってもご用意には少々お時間はかかります。
更に、薬は種類も多く、在庫していないこともよくあります。処方箋の記載内容について処方医に確認させていただくこともあります。言い訳になりますが、薬局が混雑する時間帯は、大体決まっているので
可能であれば 後程或いは後日、お引き取りに来ていただくと、待ち時間は少し軽減できると思います。受付時、或いはお電話でお問い合わせください。


殆どの薬局では、FAXでも処方箋を受け付けています、後程処方箋原本を必ずお持ちいただかないといけませんが、ご連絡先の電話番号を記載し、FAXを頂くと予めご用意しておくことができます。お電話でご連絡させていただきますので、必ず繋がる番号をご記入ください。
ここにきて、ラインを使ってやり取りを進めようと動き出した薬局もあります。オンライン診療や服薬指導可能な医療機関についても、その施設のHPを確認してみてください。
厚生労働省のHP, 医療機能情報検索から検索することもできます。

いずれにしても、医療機関を利用する際の 選択肢は増えていますので
自分にとって使いやすい病医院や薬局をみつけて、機能を大いに利用してください。
私達としては、それぞれの薬局が できる範囲で利用者の方々の利便性向上をはかるために、まずはニーズを知らなければならない。

DSやその他の業種では当たり前なんでしょうが、保険薬局が誰をお客様と考えているか、このあたりは、本質的課題でしょうか。
私達 薬局職員も、地域住民の一人ですから 
目の前の課題「待ち時間問題」を少しでも改善することはもちろん、
地域全体としての課題、困っていること困っている人について 想像できるし、今後についても、自分や家族について 思うところがありますよね。

<薬局における健康サポートについて>
その文言通りなんですが、地域住民の医療的ニーズに、身近な薬局が積極的に対応してね、という趣旨で、いくつかの要件を満たした薬局は「健康サポート薬局」として認められ、疾患にまつわる勉強会あるいは情報発信などを行ったり、体調管理についてご相談をお受けするものです。
一昔前であれば 当たり前のことだったんですが、
医薬分業が進むに連れて、なんだか、
薬局は、注文、速攻受け取り、お帰りでーす、お大事にー、なのに、なんか儲けてるらしい、的なご指摘も多く(実際儲けていたらしいですが)
地域医療を包括的に効率化し、セルフメディケーションを推進し在宅療養を支える担い手として、薬局に機能してもらおうということで、制度が整備されてきました。
コロナもあって、今現在、薬局主催のイベントなどはできてないと思いますが、地域で、薬局が 今まで以上に機能することはプラスですよね。


薬局側としては、
業務フローの改善であれ、サポートプランを考えるにしても、スタッフみんなで、なにが問題で、何ができるのか、どんな需要があるかアイディアを出し合うことがとても重要だと思います。
いくつかの職種の視点からニーズを探すということは、従来の保険薬局の取り組みには、あまりなかったと思いますが、利用者の視点でなければ改善につながらないし、有用なサポートに ならないですよね?
直接点数にならないとしても、役立つことができた、何か形になった、という経験は職員のメンタリティーにプラスで、全体としてサービス向上、地域の信頼を得て 来局の安定に繋がるのではないでしょうか。
さらに
オンライン診療が一般化すれば、服薬指導もその流れに乗って、薬の配送のニーズが上がるものと思われます。現に大手のシステムベンダーが、受診から、安全な配送システムまで作り、導入もされ始めていますから、「薬局で待たなくていい」という価値を取りに行くことは、薬局が、利用者に利便性を提供でき、かつ新たな利益を生む可能性もあると思います。

また一方で、利益増加に逆行すると思われるかもしれませんが、地域の他の医療機関や薬局、他の支援職と助け合うこと。結果として地域全体の問題が早くクリアになって、いい状態を維持しやすくなると思います。それは、誰にとってもプラスだ、と実感できるので、言うまでもなく職員にとってもプラス。オンラインでゆるく連携できればいいですね。

薬局利用者は、ご高齢の方が多い。
地域の人口構成からして、これは当然かもしれませんが、決して、若い世代にニーズがないわけではないのです。SNSで 地域の若年層に、信頼できる医療情報をタイムリーに案内することもできます。
そこから何かが動き出すかもしれない。
出来ないことはあるのですが、そこにある問題を知る、何か策はないか考える。話を聞く、医師に相談する、支援職に相談する、保健所に相談する、実際に何かできる人につなぐ。
薬を渡すだけの きれい仕事しかしない。できることだけ、言えることだけにとどめておく。
それだけでは不十分だと、多くの 中の人は気づいていますよね。
つまらない仕事にしてしまってはいけない。

単に、薬を渡してるだけじゃないか!きれいなとこだけ取りの薬剤師の仕事なんていらないし。
はい、ホントに。 そうかもしれません、そんな見方もあると思います。
ですが 私は、コレで、飯を食ってきたものとして そして懸命に働く同僚たちを見てきて、
要らない仕事だとも、つまらない仕事だとも思いません。
しかし、危機感は感じています。だからこそ
なにが必要なのか、自分たちに何ができるか、少し広い視点で考える、他の知見を取り入れ、どんどん勉強する。固く閉じない職業人集合でありたい
ですよね!と発信しています。

私達は必要とされるものを提供することができるのですから、どう提供するか、
立ち止まらないで 考えていくことが大切だと思います。

私は、HAPというNPO認定の女性の健康支援地域コーディネーターでした。
過去形なん?
そうなんです、この2年間、活動出来なくて実績が出せなくて。
でも、勉強したことは役立てることができると思うので、健康サポートの
一枝として、緊急避妊への対応を考えておられる薬局様、お力になれるといいなと思います。

で、最後に、以前も記事にした、ワンストップダイヤルについて今一度
ご案内させてください。
女性だけでなく
性暴力被害を受けた方は、子どもであっても 男の子でも いつでも、電話で助けを求めてください。

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性暴力被害者への支援について、望まない妊娠を回避するために緊急避妊が可能で、必要な医療を受けるために最初から最後まで寄り添う支援がある。
このことは、
様々なメディアで取り上げられ 周知されてもきました。
オンラインセミナーが開かれれば、すぐに満席となるなど、関心を持つ人が多いということは、本当に心強いことです。
今日に至るまで、長く女性支援に尽力され 声を上げ続けて来られた
多くの先生方と、関係諸団体の皆様のお陰なんです。ありがとうございます。
様々な支援の形がありますし、医療従事者だけが支援者ではない。
そして、支援を必要としているのは、女性に限らない。

自ら助けを求めることにも、大変な勇気が必要で、窓口にたどり着けない方も相当数いると思われます。

被害者という響きは、自分を自分でないものにし、周りにも大きな影響を与えてしまいそうで、怖くなってしまいますよね。
援助を申し出ることにも 躊躇してしまいます。

センターで電話相談に乗っているのは、研修を受けたボランティアの女性たちで、お話を聞き、必要であれば、安全を確保し 専門職につなぐ。

私たちは、薬局という 身近にあって 立ち寄りやすい場所で、センターの連絡先や情報を伝えることができます。以下は、以前別記事にも載せましたが、amebloに書いた私の記事です。ご参考までに。 

私が勤務する地域の周辺の情報ですが、兵庫県では、拠点病院型のワンストップセンターがあります。

緊急避妊についてもその是非ではなく、事実を。ご存じかもしれませんがご確認いただきたい。
緊急避妊とは
性暴力被害ではない場合でも 妊娠を望まないが妊娠の可能性がある 性交渉後 72時間以内に黄体ホルモン製剤を一回だけ服用して 排卵、受精、子宮内膜への着床のいずれの段階か、それは色々ですが、妊娠の流れをくいとめて妊娠を回避させる治療です。レボノルゲストレルという成分で、既に月経困難症などの治療薬に使用されている薬物です。欧米などでは、薬局で普通に売っていますが、日本では医師の処方箋が必要で、全ての医療機関で対応できるところまでには至っていません。
服用のタイミングにもよりますが、100%妊娠を回避できるものではありません。すでに成立した妊娠を中絶させることもできません。そして、全く副作用がないわけでもありません。性暴力被害でない限り、費用も掛かります。性行為によって感染した感染症を治すことはできません。
ネット上で、個人輸入すればいい、と書かれていたり、実際売られたりもしている、らしいですが、それは大丈夫、安全でしょうか?体の中に取り入れるもの、特に薬品には十分注意しなければなりません。あなたは大切なんです
私達の薬局にも問い合わせを頂きましたが、緊急避妊が必要なときは、婦人科やレディスクリニックを受診していただくのが一番安全です。できるだけ早く服用する方がいいので、オンライン受診もご検討ください。緊急避妊に関しては、初診からオンライン診療が可能ですので、別記事で述べた 厚労省のHPから医療機関検索して調べるか、(社団)日本家族計画協会HPから調べることもできますので、利用してみてください。因みに院外処方せんを持ち込んで、緊急避妊ピルを調剤してもらえる薬局の情報も出ていると思います。HAPというNPOのHPにも情報があります。相談だけでもいいですよ。参考にしてください。

拙文長文をお読みいただきありがとうございました。
四月から、新たに薬剤師として仕事を始める皆さん、どうか体に気を付けて
大いに学んでくださいねー


おさんぽでした。