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まちの薬局は存続できるのか?

こんにちは、おさんぽです。私事、
母の介護を理由に、先日退職しました。所属先はないのですが
(のら)女性の健康支援地域コーディネーターではあるので
新たな気持ちで、医療をめぐる課題の発信をしていきたいと思います。
宜しくお願い致します。

本稿は2021年の記事を編集したものですが、主に
薬局の仕事について述べています。
綺麗な仕事?大変な仕事じゃないのに、報酬が高すぎると言われもする。
いらん仕事、将来消滅する仕事・・の上位らしい。

この前まで薬局で仕事をしてた私は、
大前提の課題がなんなのか
薬局の経営者も中の人も
気づかないふり、考えようとしてないと実感してます。
流されるだけではオワルよ、と。

婆が考える現状や課題を、2024版でお届けします。

私、ただのパート薬剤師でした。

薬局といっても色々あります。
院外処方導入以降、街には、小さな門前薬局が林立し、
報酬は国が決めているのに、なぜか儲かっていた?らしい。
が、コロナ以降、受診控えから処方箋枚数が減って、更には
DX推進の圧が押し寄せ、廃業店やMAも散見されるようになった。

大手のチェーン調剤薬局やドラッグストア併設薬局など、
販売や仕入れが既に合理化、DX化されているところに、
人もモノも、流れが集約されつつある。
💊工場から倉庫へ、倉庫兼薬局内工場?、そこから老人施設、老人宅へ。

実際に進んでいるのかは、よくわからないが、医療制度改革、2025目処の
地域包括支援推進において、目指すところの理解が不十分なのに、
立ち位置が中途半端なまま、なのに
在宅加算をもらおうと、
なんとか頑張ってるフリをしている。
(事実、設備投資も行い、頑張っているところも沢山ありますが)

中の人は、大手であれ、小規模店であれ、
フロー業務に明け暮れながら、
変化なのか、それはなぜなのか、これからどうなっていくのか、
どうなっていくべきなのか、なにができるのか、
には無頓着にみえる。

流されながらでも、考えてみるのはどうだろう。
遅くないと思うのよ。大事だと思うのよ。
中の人が、それぞれの体験を持ち寄って
どうなっていくべきなのかを 権益や点数から離れて、話し合うこと。


どこにでもある薬局が、医療や地域に関する一次情報を得るための、
身近な、そして信頼できるリアルとして、
意外に使えるじゃん、という認知が広がってほしい。
私には、それが、地域支援、存在意義だと思えるんです。
何でも屋ではないよ・・そりゃあね。できないこと、は伝えるべきで、
得意分野があってもいいと思う。後で述べますが 
特定分野の専門認定制度が、より実効性を持つことになる。

薬局(中の人)の、
社会人としてのインテリジェンスを上げていく努力をせず,
イメージだけで権益保持しようとしても、もう無理だと思うんです。
カタチの上では認定制度などもあり、実際に努力もされ、活躍されている方
もおられますが、全体としてみると、金がかかるカタチ。つまり形骸化しつつあるように思います。
本当にギアが上がっているのでしょうか?
「薬の専門家」たる実力があり、且つそれがアップデートされているのか?
実施主体さん、考えてますか?
勿論、個人差 能力差 適正はあるのですが・・
ギアを上げ、且つ社会の評価を上げる、実効性はあるのか。
なによりも、
薬局の 中の人の業務の捉え方、向き合い方、が変わらなければならない。
そのための研修であり、認定資格でなければならない。
地域にとって 良い方向性を具体的に示す 行政のリードも不可欠だと思う。

女性が多い職場ということ、かつ非正規雇用が多いこと、が
従来通りの型、通りの、決められた「きれいな」仕事以外できません、
別に給料増えなくても怒りません、そういう空気の要因かもしれんと思う。

実際、経営者に具体的なプランをお話したこともありますが
利益(点数の増加)に結び付かない、他の薬局はやってないよ?いらんことはしない、ハイ却下終了。

薬〇■会は、「薬局」が存続するため、職能団体らしく アピールはするんです。
権益保持のため、調剤報酬が削られないため、
議員を送り込んだり、〇師会にすり寄りつつ、ゴリゴリすー。

それ必要ですか?

何が求められているのかを考えませんか?

社会保障制度全体の最適化、という待ったなしの課題に
どう主体的に関われるか、が問われているのに。
なによりも利益保持、はもはや無理ゲーです。

時事問題;

保険証と電子処方箋

従来の紙保険証の、新たな発行停止時期が近づいてきました。
厚労省もやっきになってますが、
これについては、反対意見もあります。
大きな変革ですから、多少の混乱はやむを得ないのではないでしょうか?

まあ、利用者の皆さんは、医療機関での待ち時間が長くなることは見越して
いらしてください。
予定としては、紙処方箋も電子化する予定です。
既に所々で運用はされています。未だ全体の1割ですが。
現在も薬局によっては、lineなどのツールで調剤を依頼して頂くこともできます。
ご来店時友達登録をしていただくと、次回はトーク画面から処方箋画像を送り、後で受け取ることもできます。かかりつけ薬局をいくつかピックアップておくと連絡しやすいので、薬局でお尋ねください。
*オンライン診療について
これについては、出来るだけ過去に受診したことがある、既知の信頼できる医療機関でオンライン診療可能なところを選ぶ。厚労省のHPからご確認の上利用されることを勧めます。その上で、施設のHPを確認し連絡してみてください。
厚生労働省のHP, 医療機能情報検索

いずれにしても、医療機関を利用する際の 選択肢は増えていますので
自分にとって使いやすい病医院や薬局をみつけて、機能を大いに利用してください。

<薬局における健康サポートについて>
その文言通り
セルフメディケーションを推進し支える担い手として、薬局に機能してもらおうということで、制度が整備されてきました。
直接点数にならないとしても、役立つことができた、何か形になった、という経験は職員のメンタリティーにプラスで、地域住民の信頼も得て 来局の安定に繋がるのではないでしょうか。
さらに
オンライン診療が一般化すれば、服薬指導もオンライン希望が増え、薬の配送のニーズが上がると思われます。「薬局で待たなくていい」という価値を取りに行くことは、薬局が、利用者に利便性を提供でき、かつ新たな利益を生む可能性もあると思います。
(この記事を再稿している、2024年7月に、Amazonが日本でも処方薬配送事業を始めた。電子処方箋利用が増えれば、更に参入が進むかもしれない)

また一方で、地域の他の医療機関や薬局、他の支援職と助け合うこと。結果として地域全体の問題が早くクリアになって、いい状態を維持しやすくなると思います。短期的に面倒が増え、利益は落ちるかもしれませんが、協力は、誰にとってもプラスだ、と実感できるので、ぜひ目先の利益以外の、全体最適化に寄与する視点を持っていただきたい。
私は、、薬剤師がつまらない仕事だとは思ってないんですよ。
まだ業務改善の余地があり、やりようによっては、おもしろい、やりがいのある仕事になると思っているからです。
本当に前向きな職業人集合でありたいですよね!と思います。

*緊急避妊薬の販売について
必要とされているものであり、どこにでもある薬局が、信頼できる場所だからこそ提供できる価値だと思うんです。設定を正しく決めて、売れないケースもあることを認識して頂くべき。
女性支援の立場からも、ぜひ多くの薬局に推進して頂きたいサポートですし、
求められる配慮について、職場で真剣に話し合ってほしいと思います。

ワンストップダイヤル #8891
女性だけでなく
性暴力被害を受けた方は、子どもであっても 男の子でも いつでも、電話で助けを求めてほしい。気付いた人は通報してほしい。
#8891
全国共通ダイヤルです。薬局内に掲示し、啓発していきたい。

自ら助けを求めることにも、大変な勇気が必要で、窓口にたどり着けない方も未だ相当数いると思われます。援助を申し出ることにも 躊躇するのです。薬局が頼られ各機関に安全につなぐ、信頼できる医療機関と感じて頂けると思います。

センターで電話相談に乗っているのは、研修を受けたボランティアの女性たちで、お話を聞き、必要であれば、安全を確保し 医療機関の専門職につなぐ。処方箋無し販売が試験的に行われていますが、進んでいくことを願っています。
以下2021年記事

緊急避妊とは

性暴力被害ではない場合でも 妊娠を望まないが妊娠の可能性があるならば 性交渉後 72時間以内に黄体ホルモン製剤を一回だけ服用する。
排卵、受精、子宮内膜への着床のいずれの段階か、それは色々ですが、妊娠の流れをくいとめて妊娠を回避させる治療です。レボノルゲストレルという成分で、既に月経困難症などの治療薬に使用されている薬物です。欧米などでは、薬局で普通に売っていますが、日本ではまだ医師の処方箋が必要で、全ての医療機関で対応できるところまでには至っていません。
一部の薬局では処方箋無し販売を行っていますが、条件があります。
厚労省のHPでご確認ください。
注意点;服用のタイミングにもよりますが、100%妊娠を回避できるものではありません。すでに成立した妊娠を中絶させることもできません。そして、全く副作用がないわけでもありません。性暴力被害でない限り、費用も掛かります。性行為によって感染した感染症を治すことはできません。
ネット上で、個人輸入品が販売されているようですが、安全ではない可能性があります。

現時点では、緊急避妊が必要なときは、婦人科やレディスクリニックを受診していただくのが一番確実で安全です。できるだけ早く服用する方がいいので、オンライン受診もご検討ください。緊急避妊に関しては、初診からオンライン診療が可能ですので、別記事で述べた 厚労省のHPから医療機関検索して調べるか、(社団)日本家族計画協会HPから調べることもできますので、利用してみてください。院外処方せんを持ち込んで、緊急避妊ピルを調剤してもらえる薬局の情報も出ていると思います。HAPというNPOのHPにも情報があります。相談だけでもいいですよ。参考にしてください。


おさんぽでした。