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あなたの経験は誰かを救う可能性がある

※書籍『子育てを最高の宝物に』
第3章 <今はまだ10代の君へ> より抜粋(十数回に分けて公開中)



いきなり結論を伝えます。


あなたの経験は誰かを救う可能性を秘めています。


こう言うと怪しさ満点かもしれませんが、本当の話です。
例えばですが、以前学習塾で働いていた時に教師が生徒を叱責する瞬間を目の当たりにした時に感じた「叱責されてる生徒といじめられていた時の自分が重なる感覚」は、僕以外には経験できないことです。

この経験から教育というものが「与えられるもの」じゃなく「人生を左右するもの」に変わりました。

また、小中学時代に受けていたいじめの経験を経て、やっと前を向けるようになった今、当時のことを人に話すことができるようになりました。

過去のいじめ体験なんかは、あまり話したくない出来事だと思いますが、当時のこの経験は「今いじめを受けている人」や「過去の辛い経験で悩んでいる人」にとっては、何がきっかけで前を向けるようになったか、今は当時をどう捉えているのか、参考になる部分はあるのかなと思っています。

つまりあなたの経験は、


【新たな視点や捉え方を与えるヒントになる可能性がある】


ということです。
「誰かを救う」と言うと自分の経験がいきなり誰かの人生を突然好転させるイメージを持ってしまうかもしれませんがそうではありません。

あなたの経験談を聞いた人が、あなたの話を聞いてそれをどう捉えるかはその人次第なので、そこに踏み込むことはできません。

あくまでも、

あなたが感じたことを伝える
あなたが気付いたことを伝える
あなたの経験を伝える


ただそれだけです。

あなたの話を聞いた人は、心を締め付けられるほどの感動を与えるかもしれませんし、明日になれば忘れる程度かもしれません。

でもそれでいいんです、人によって捉え方は全く違います。
だから「こう思われるかもしれない」「嫌な気持ちになるかな」なんてそこまで思う必要はありません。


一つ頭に留めておいていただきたいのは、話した相手全員の人生に影響を与えるなんてことは考えないでください。

話す以上、相手の心に影響を与えたいと思う人はいるでしょうし、その気持ち自体は悪くはないと思います。
しかしその気持ちが行き過ぎると、自分の話に反応してくれなかった時に自分を過小評価してしまって落ち込んでしまったり、「自分はダメだ」と思い込んでしまう可能性もあります。

世の中にはあなたと同じ経験をして、未だに出口が見つからない人がいるかもしれません。
その人にとっては、あなたの存在を求めています。


あなたが経験したこと、その時に何を感じていたのか、どう行動したのか。

あなたの悩みや苦しみ、長い時間をかけて一生懸命自分と向き合ってきた経験は、一人で心細くなっている誰かの心に、寄り添うことができます。
あなたの言葉を探している人がいます。

あなたと同じように悩んだり苦しんだりする人たちは、実は意外に多いんです。

誰でも辛い過去を人前で話したくないと思います。
だから見えないだけで、誰しも少なからず話したくない過去は持っているはずです。

自信を持ってください!とまでは言いませんが、「自分はダメだ」なんて思わないでほしい。

あなたの経験は人の力になれるんです。
頑張って生きてきた証だと思ってください。

人の力になりたい、という想いを諦めないでください。



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