医療従事者の皆さんに感謝?
相変わらずテレビは朝から晩まで新コロちゃん一色のようだが、4月末頃からやたらと「医療従事者の皆さんありがとう」キャンペーンのようなことをテレビでもやり始めているらしい。
※主観だらけの文章になると思うので、そう思ってテキトーに読んでもらえると幸いです。
正直・・・「は?」と思うのだ。空々しい、今さら何言ってるんだ? と。
今さら、医療従事者の皆さんありがとうって何なんだろう。テレビをはじめとするメディアは、さんざん煽っておいて、働く人を傷つけておいて、今になって感謝しましょう、ありがとうと言いましょう。何だかとても気持ち悪いし、腹も立つ。あまりにバカにしていないか。
新コロ患者を受け入れている医療機関のスタッフはもちろん、それ以外の人たちも、いつも、粛々と仕事を行ってくれているのだ。新コロだけじゃなく、他の感染症だってインフル大流行の時だって、震災の後だって。別に感謝されたくてしているわけじゃないと思う。
私たち夫婦は、医療に関わる人たちにお世話になっている。知人や親戚に医療従事者も居る。実際、日々接している医療従事者の人たちは本当に淡々としている。
みんな、自分の仕事に誇りを持っている。毎日、患者と、病気と向き合う仕事だ。ドクター、ナースだけじゃなく、医療に携わる人たちはどんな状況でも粛々と仕事をしているはずだ。それを「ヒーロー」などと言ったり、みんなで拍手して感謝を・・・などというのは、何だか違和感なのだ。
上っ面で「ありがとう医療従事者の皆さん」じゃなく、もっと具体的な支援、必要なサポートをしてあげればいいのにと思う。このまま、コトバだけのありがとうをまき散らして自己満足で終わってしまうのだろうか。
何よりも今回違和感を感じたのは「こんなふうに言われないと、人って感謝しないのか?」ということ。
病院にかかる側の私たちは、こんな事態の時じゃなくたって感謝することが「当たり前」なんじゃないだろうか。自分で自分や家族を治すことができるんだったらご勝手にどーぞだが、どうしようもないから病院に頼るわけでしょ。
特に、私たちのように日々医療機関にお世話になっている人間は、スタッフには本当に感謝している。私のダンナはドクター、ナース、エンジニアの人たち、検査技師やPT(理学療法士)、OT(作業療法士)の人たちに支えられてここまで来て、これからも支えてもらわないといけない。
通っている透析病院でも「自分は患者さま」と言わんばかりに偉そうな態度をとる患者はいる。けれど、ほとんどの人が「医療スタッフが居るから自分たちは透析を行ってもらえて、普通の生活を送ることができる」という感謝の気持ちを持って治療を受けている。
当たり前のこと、だよね。
医療従事者だけではなく、今はみんな、自分にできることを粛々とやっているのだ。それが誰かを、何かを助けることになるかもしれないから。スーパーやドラッグストア、コンビニなどでレジを打つ人、品物を並べる人、その品物を運ぶ人。物流を支える人たち、こちらがネットで注文したものを届けてくれる人。公共交通機関やタクシーの運転手さんなど生活を支える仕事をしている人。そのほかにも、いま、やらなければいけない仕事をしている人。
そして、できるだけ自宅に居るよう努めている人たち。
自分も頑張ってるよね、みんな頑張ってるよね、感謝だね。ありがたいね。
と、思うのは当たり前のこと、だよね。
これを偽善だというなら、あたしゃ偽善者でいいさ。
今日もダンナは透析だった。彼はいつも透析が終わると「ありがとう、またお願いします」とスタッフに声をかけてから帰る。ナースに対しても、エンジニアさんに対しても、そう。迎えに行く私も、スタッフに会えば「ありがとうございました」と声をかける。
当たり前のこと、だよね。
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