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フリーランス調律師がチャットでピアノを売った話

おはなピアノ調律は、子育て真っ最中のフリーランス母調律師2名が支えあいながら、東京都多摩地区(小平市、町田市)を拠点にピアノ調律へと伺っております!

お久しぶりです。おはなピアノ調律です。

2020年がもうすぐ終わりますね。調律のお客さま、運送の方々、その他関係業者の方々には大変お世話になりました。

今年は感染症に翻弄された1年でしたが、世界中でここまで共通の問題を抱えることは珍しく、だからこそ各国の政策などで様々な力量があらわになった1年でもありましたね。

また、音楽業界としてはベートーヴェンイヤーでしたが、多くのイベントやコンサートが中止や延期となって残念でした。

そのようなコロナ禍の中にあって、おはなピアノの2020年はどうだったのかと振り返ると、もちろん調律師を家に呼ぶのを控えるようにした方もいらっしゃるかと思うのですが、通常の調律の他、家にいる時間が増えて久しぶりにピアノを開けてみた、弾いてみた、という方が多かったのでしょうか、新規のお客様でクリーニングのご依頼を多数受けました。
お声かけいただき、ありがとうございました。

何十年も手を入れていないピアノのクリーニングを1人で全て作業するのは大変なので、おかげさまで2名体制がとても活きた1年だったように思います。(詳しくはクリーニングの記録記事を、、、)

さらに今年は中古ピアノも数台売りました。
そこで、このコロナ渦でどのようにピアノを売ったのか、記録として残しておこうと思います。

1 ピアノのお問い合わせをネットから受ける

例年のピアノ販売では、すでに調律のお客様でアップライトをお持ちの方がグランドに買い替えるのでお世話をしてほしい、というようなご依頼が多いです。しかし今年は、新規の方からインターネットを経由で、ピアノを探しているのでお世話してほしいというご依頼をいただきました。

これは普通は頼むほうとしてはハードルが高いことだと思うのです。長年使う&お部屋に置くもので、大きなお買い物になる訳ですから。

最近は様々な情報を調べたい時、スマホひとつあれば色々と検索出来ます。各種SNSや動画サイトなど介して容易く自分の求める情報を得る事が出来るのが当たり前になりつつある中、色々な楽器店に個別に問い合わせるよりも、やや相談しやすい先として、おはなピアノが選ばれた部分があるのかな?と思いました。

2 素敵なピアノを用意してもらう

相談を受けたらピアノ探しを始めますが、おはなピアノではいくつかの信頼のおける業者から中古ピアノに関する情報をいただいています。

今回は、スタインウェイの修復販売なども行っている、ゴリゴリの技術者集団で、国産ピアノの中古ピアノも販売している業者さんに相談しました。

お客様からは、欲しいピアノのイメージやご予算、弾かれる方のことを丁寧に伺いました。そしてそれを元に同業者に伝えやすい形に翻訳し、何台かピックアップしてもらいます。ここで、あうんの呼吸というか、信頼がないとなかなか難しいんですよね。ピアノの質や修理具合など、、、

その点で、私たちはとてもラッキーなことに、すでに何度かその工房とは修理などの取引を行っており、安心してお客様におすすめできるピアノを用意していただくことができました。さらに、自分達の目でも一度実際見に行き、中の中まで見せてもらい、工房の技術者と意見の擦り合わせを重ねます。

3 動画とチャットで営業を行う

さて無事に私たちも納得できるピアノが用意できたら、通常であれば、お客様を現地にご案内して、見ていただき、弾いていただき、お話をしてどのような感触かを確認しながら商談を進めます。ところが今年はコロナ渦。わざわざ遠方まで移動してイメージしていたピアノではなかった場合は、残念なだけでなく感染リスクもあり、望ましい方法ではありません。

そこで、工房で事前に動画を撮ってもらい、その動画に見ていただきたいポイントを添えてお客様にLINEで送りました。私達もお客様からのご質問や感想はいつでも受ける事が可能で、それに対する返答も行います。メールよりも気軽に話しながら写真や動画が送れる事でお互いスムーズにやり取りが出来ます。

楽器店勤務だと難しいんですよね。なぜなら子育て世代が一息ついてゆっくり動画をみてそれに対する質問を送る、これは確実に夜20時以降が多いからです。20時からのチャットは時間外労働になってしまいますね。おはなピアノはフリーランス2名なので、そのあたりの対応を柔軟に行えます。

むしろ!動画でご案内することも、チャットでご質問にお答えすることも、どちらも子育て世代の技術者としてはありがたい営業スタイルでした。

4 いよいよピアノとご対面

お客様のイメージとご予算に合うピアノの動画をいくつか送って、お話した結果、実際に試弾していただくピアノが決まり、工房にご家族で来ていただきました。お世話になった工房には、毛布にくるまれた修理待ちのグランドピアノがずらっと並び、その奥には工具が並んだ、ザ・工房が広がっています。その空間に入った非日常感にもお客様は感動したとおっしゃってました。

そして工房だけではなくショールームでもいろいろなピアノをご検討していただき、お気に入りの1台と巡り合うことができました。

その後は、納品の立ち合いや納品後の調律、アフターサービス含め万全の体制で伺いました。

5 おすすめのピアノご紹介

工房には大変丁寧に整備されたピアノを数台用意してもらいました。

今回選ばれなかったピアノで、うわーこれはどなたかにご縁あると良いなあと思っている整備済のピアノを二台、最後にご案内します。

2020年12月25日現在の状況です。

もしご興味ある方がいらしたら嬉しいです!

まずはヤマハUX10Aです。人気のX支柱、コンパクトな高さ121㎝タイプ、そしてトーンエスケープの譜面台です。とてもまろやかな音色でした。キンキンした音色が苦手な方、コンパクトだけど上質なものをお探しの方におすすめです。

こちらはヤマハM2です。正直、古いです。でもすごく艶やかな音色で、主観的なイメージとしてはブリュートナーのような感じでしょうか。導入期のお子様よりは、大人の趣味で弾かれる方におすすめかもしれません。外観も譜面台もとてもおしゃれですね。木目はお部屋の照明によってずいぶん印象が変わります。

古いですので、思わぬ故障などはあるかもしれません、修理がちょこちょこ発生しても愛でることができる方におすすめです。

もしご興味ある方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。

それでは良いお年を。
皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

おはなピアノ調律

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