見出し画像

時計も楽器も自転車も

こんにちは、おはなピアノです。今回は最近読んだ本、石原実『石原時計店物語』についてちょっとメモ程度に。

明治時代、西洋の文化が日本にいろいろと入ってきたわけですが、なかでも時刻や定時法はかなりインパクトあったと思われます。日本人の時間間隔の変化にも興味は尽きませんが、今回は時刻を刻む時計を取り扱った業者が、同時に、軍楽隊や学校に西洋楽器を卸したり、自転車を取り扱ったりしていたという点に着目します。時計、楽器、自転車、どれも共通するのは「ハイカラ」であることと本書では述べられていますが、個人的には、どれも販売前の組立や整備、販売後のメンテナンス技術者が必要とされる商材であることがポイントではないかしらと思いました。

なお、この本には明治時代(推定明治29年、40年)の石原楽器店のカタログが200頁近くにわたり(!)詳しく掲載されています。石原製オルガンの他に、輸入品としてアコーディオン、ハーモニカ、ヴァイオリン、ヴァイオリン各種付属品、メトロノーム、譜面台、音叉、クラリネット、フルート、ラッパ等管楽器各種と各種付属品、マンドリン、オルゴール、五線譜、太鼓類、そしてピアノが掲載されています。ピアノは独逸ルミナ―ピアノ、英国ハントピアノ、独逸ホベアピアノだそうです。どれも知らないブランド、、、

本書は大阪の石原時計店の成り立ちから今日までを描いていますが、その中で、縁戚関係は不明と述べた上で、奈良の石原楽器店がでてきます。
そこで奈良の石原楽器とは?と国立国会図書館で調べてみると興味深い記事がありました。

石原昌は大阪の石原時計店でオルガン技術を、その後上京し、東京楽器研究所の福島琢郎にピアノ技術を学んだようです。
福島琢郎について調べている私の研究にとってなかなか興味深いお店であろうということがわかりました。おしまい。

おはなピアノでは2024春🌸のクリーニングキャンペーン実施中です。
移動をせずにご自宅にピアノを置いたままのクリーニングも承ります。最近もようやく終えましたが、在宅クリーニングの場合は半日作業を数回通って仕上げます。今回のお客さまは最初にうかがったのは昨年の秋頃だったかな?それから3回ほど、お互いの体調や都合でリスケなどもしながら、徐々にピアノがよみがえりました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?