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クリスマスにお金を使う予定がない貴方へ

世間はすっかりクリスマスムード。

神キリストの誕生日だとか関係なく、浮かれた雰囲気になる12月。年末の忙しい時期も、街全体が浮かれているのを見ると、何だかやる気が出てくる。

とはいっても、今年のクリスマスも何か予定があるわけではない。今年も粛々と仕事をこなし、翌日の仕事に備えて帰宅するつもりである。

今回の日刊かきあつめのテーマが「#お金」ということで、クリスマスに暇を持て余している私にも優しいテーマでありがたい。

もし彼女がいたなら、やれクリスマスだ、やれプレゼントだ、食事だ、とお金がかかるに違いない。

コンビニのレジで目の前に並んだ若いカップルが、笑い合いながら会計を済ます背中に突き刺すような視線で訴えかける。

・・・負け惜しみではないぞ、断じて!

お金なんて所詮、紙きれである。使わなければ価値はない。誰かのためにお金を使う。とても素敵じゃないか。

クリスマスにお金を使う予定がない私と同じならば、お金にまつわる映画を観てはいかがだろう?


『紙の月』

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movie.yahoo.co.jpより

(以下、映画のネタバレあります)

この映画を簡単に説明するならば、「銀行員の既婚女性・梨花(宮沢りえ)が会社のお金を横領して、年下の男・光太(池松壮亮)と浮気して貢ぎまくる」という物語である。
最初は1万円借りただけなのに、次第にエスカレートして、最終的には偽の銀行証書を作成して数百万円の架空預金を作って横領してしまう。

ここまで読んで「はいはい、家庭の冷めた女が若い男に溺れて会社のお金を横領したのね。」と思うかもしれないが、そうではない。

梨花は先に会社のお金に手を付け、それから光太に費やしていくのである。

なぜ彼にお金を費やしていくのか、そこに深い理由はない。もっといえば愛もない。梨花はなぜ愛しているわけでもない相手に、お金を費やすことができたのか。


それは彼女にとってお金が「紙の月(paper moon)」、日本語に訳すと「偽物、作り物」だったからだと思う。

それなのに、皆んなお金を欲するし、お金を貰えると喜ぶ。梨花だけはお金が作り物で、本当の価値はその先にあると知っていた。

梨花がそう考えるようになったのは、幼少期の経験が大きいのだが・・・詳しくは映画で確認してほしい。

彼女の行為が全て明らかにされた時、彼女はどんな行動に出たのか。そして、彼女の行為をアナタは否定できるだろうか。

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(映画.comより)

街中にイルミネーションが灯り、お祭りムードの12月。

梨花が横領した「紙の月」を費やしてまで欲しかったものは、もしかしたらクリスマスにお金を使わない我々も、本当は求めているものかもしれない。

イエス=キリストの教え通り、大切な人に無償の愛を費やす「神の月」となるか、それとも・・・。


編集:円(えん)

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