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姿勢を正して

励ましてもらってばかりの人生だと、振り返ると身に染みて感じられる事柄がたくさんある。
それに対してたまにとてつもなく悔しくなる時がある。

もらった分誰かに返しなさいねって言いながらいつも奢ってもらった天ぷらそばの数に追いつかなくって、今も若干焦っている。
相変わらず偉い人にはなれず手取りは少ないし、なんの功績も発信も成さず、家に帰るとちょっと人と電話して動画を見ながらご飯を食べるだけの人間として過ごしてしまっている。

ただ善悪を判断するというより、いろんな正しさのうちからひとつを選択する時に人生の難しさを感じる。
道に落ちているMACのリップを交番に届けるかどうか迷ってそのままにした時も、タイツに電線を走らせた人に耳打ちした時も、本当にその判断でよかったのかしらと疑い続けている。

白ぐ空に鳥が鳴く。軽い肌寒さで目が覚める。
ブランケットだとそろそろ暖をとるには物足りない季節だと悟る。
携帯で時間を見ると、体感よりも朝が濃くなっていることに驚く。
いつまでも言うことを聞かせることができない体をのっそりと持ち上げる。
それにくらべると君は早起きでえらいね。朝からお弁当作ってえらいね。
どうかみんなえらいから、自分という存在の価値だけは損ねないでね、勝手に低めに見積もらないでね。

せめて枷とか重荷とかにはなりたくないな。
天ぷらそば食べてる時は、卑屈にならず、ご機嫌な顔で、すんごく美味しそうに食べていたいな。
もう少し、頑張れるだけ頑張って、追いつける分だけ追いついていこうと思う。

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