イチローズモルト秩父蒸溜所(ベンチャーウイスキーさん)の”ピーテッドモルト”蒸溜見学に行ってきました!
ママノ江沢です!今年も秩父にある蒸溜所を訪問させていただきました!(一般見学はありません。)
※写真は今回撮影をほとんどしなかったので以前に撮影したものが多めです。
今回はショコラティエの本間さんと二人で参加。
第一蒸溜所→第一熟成庫→第二蒸溜所→ビジターセンターで試飲という流れです。
この時期はメンテナンス期間前ということで、強い香りのあるピーテッドモルト(泥炭で燻した麦芽)の蒸溜期間でした。
蒸溜所に入るともわっとした熱気とともにモルトの糖化した甘い香りが充満し、その中にはピート(泥炭)特有の香りとスモーキーさが含まれていました。
①麦芽の粉砕と麦汁を絞る工程
すでにピートの香りがついた麦芽を食べさせてもらいました。
フェノール値は50ppmと強め。
二条大麦麦芽の一粒がウイスキー製造のスタート地点です。
食べてもカリッとして、ピートがしっかり麦芽に入り込んでいてとても美味しいです。
つまみになります。
ちょうど見たときは3番絞りまで終えたところでした。
2回目までの麦汁を蒸溜し、3回目の麦汁は次に麦汁を絞る時に加えるお湯の一部として利用することで残らず麦汁の糖分を利用しています。
②発酵
2つの蒸溜桶の香りを嗅がせていただきました。
1つめの桶は発酵二日目で、桃やバナナのような果実感を感じました。
酸もしっかり感じますが、ツンとする感じはありませんでした。
泡がぶくぶくと出ていて、酵母が糖を分解してアルコールにしている工程です。
2つ目の桶は蒸溜4日目で発酵最終日。
色は濃い茶色に変わり香りは穏やかで熟成した果実のような香りに変化していました。
(あくまで個人の感想です!)
ミズナラ桶での発酵は世界でもここだけ?
③蒸溜
2台の銅製の蒸溜機。
発酵を終えたもろみがここで2回に分けて蒸溜されて70度程度のアルコールとして出てきます。
蒸溜中は数秒で味が変化していくため、蒸溜を終えるタイミングが近くなると、職人は数秒おきに透明のグラスにお酒を取り出して風味を確かめながら、どこからどこまで樽詰めするかを見極めています。僕たちも見学用に10個程度のグラスに分けたお酒の香りを嗅がせていただきました。
ピーテッドモルトで匂いを確かめたのは初めてで、「どのグラスにピートが一番強く入っていると思いますか?」と聞かれて答えましたが大外れでした。まだまだ修行が足りません。
ピーテッドモルトで匂いを確かめたのは初めてで、「どのグラスにピートが一番強く入っていると思いますか?」と聞かれて答えましたが大外れでした。まだまだ修行が足りません。
蒸溜の終盤にかけて、重い成分であるピート感がだんだん強くなるそうです。
④熟成庫
雰囲気のある熟成庫です。
地面は土で、外は暑かったのに中はひんやりと涼しく感じます。
オーク(楢)の種類による木の成長速度の違い(年輪が詰まっているかどうか等で判断できる)、木の成長速度の違いによる特性や断面の違いと、それが長期樽熟成をしている間にウイスキーに与える影響について学びました。
木の断面やウイスキーの詰まった樽を見ながら説明を聞くことで理解が深まりました。
ウイスキーが樽から漏れてくるケースの多くは、木の中にある水が通る管によるものだそうで、木を知り尽くした樽職人が蒸溜所にいるからこそ細かなメンテナンスや長期保管ができるんだなぁと思いました。
④第二蒸溜所
第一蒸溜所の5倍の生産量の新しい蒸溜所です。
手作業の良さは全く変わらず、生産量が増えるような設計になっていました。
第一蒸溜所のポットスチルは蒸気循環による間接蒸溜ですが、第二蒸溜所のポットスチルは直火式のポットスチルになっており、より力強くしっかりとした酒質になるのでは、とのことです。
第二蒸溜所の発酵桶はフレンチオークでできていて、これもまた珍しいようです。
桶のサイズが大きいことで、発酵期間は少し長く、また乳酸菌の量などにも違いが出ているとのことでした。
第一、第二はサイズだけでなくいろいろな違いがあり、多様な酒質のウイスキーが作られることで、将来とてつもなく美味しいウイスキーが生まれるための厚みが、第二蒸溜所ができたことで生まれているんだなーと思いました。
⑤試飲
まず、定番のホワイトラベルの原酒(約59度)を飲ませていただきました。
通常販売されているホワイトラベルは最適な飲み口に調整するため加水されていますが、濃い状態で飲んだのは初めてて全く印象が異なりました。
樽、バニラ、ハーブ、麦の甘みなどが強く感じられて、原酒で飲んでも本当に美味しいなーと思い、改めて定番のホワイトラベルを飲みたくなりました。
飲み疲れもせず、何杯でも飲みたくなる、いつも手元に置いておきたい感じのウイスキーです。
他にもいくつか飲ませていただきました。幸せ。
・オロロソシェリー樽熟成9年か10年、スパニッシュオーク。
・ワインカスク
・アメリカンオーク樽熟成9年か10年
見学させていただきありがとうございました!
刺激をいただきましたので、ママノはママノで美味しいチョコレート作りに励みます!
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