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【美術】ゴッホ展にいった

2019年10月から上野の森美術館で開催されている「ゴッホ展」に先日行きましたので、記録します。

ゴッホ盛りだくさんの展示

 ゴッホ展、との名前の通り、ゴッホの絵が本当にたくさん展示してありました!時系列に沿った展示で、なおかつ、ゴッホが影響を受けた画家たちの絵も多数展示がありました。ゴッホの絵の変遷を学ぶには良い展覧会だったなあと思います。最後には、「糸杉」に代表されるようないわゆるゴッホらしい、うねりのあるタッチの絵も展示がありました。

ゴッホは移動が激しい、と気付く

 展覧会の解説を読んでいて、今さらですが、ゴッホってすごい引っ越ししてる...!と気付きました。
wikipedia情報をもとに、居住地と期間を羅列しますと、次の通りです。
・オランダ
 エッテン 1881.4~12 8ヶ月
 ハーグ 1882.1~1883.9 1年9か月
 ニューネン 1883.12~1885.11 1年
・ベルギー
 アントウェルペン 1885.11~1886.2 3ヶ月
・フランス
 パリ 1886.2~1888.2 2年
 アルル 1888.2~1889.5 1年3ヶ月
 サン=レミ(入院) 1889.5~1890.5 1年
 オーヴェル 1890.5~7 3ヶ月
 
 入院などの事情もありますが、10年未満の期間で、3か国8都市に暮らしています。そしてそれぞれの土地で様々な画家と出会い、彼らから学び、最終的に自分らしさを確立していったのですね。画家としての活動期間は上記に少々足したくらいの10年程度のようなので、太く短い画家生命だったのだな、と今更ながら実感しました。

ゴッホは影響を受けやすい?素直?

 今回の展示は主にハーグ時代・パリ時代・アルル時代・サン=レミ時代のものでした。時系列に見ていくとどんな絵から影響を受けているのかが本当にわかりやすかったです。色合いだけ見ても、ハーグ時代は農民を描いたこともあり暗く地味ですが、パリで印象派と出会ってからは明るい色合いを積極的に取り入れています。また、パリ時代に出会った浮世絵からも構図の影響を受けていることがわかります。例えば、モンティセリという画家の重厚な雰囲気の配色をそのまま真似したような作品(「花瓶の花」という作品)がある等しました。影響を受けやすいのか、素直なのか…そんな人間性が伺われるようでした。

最後に光る個性

 上で書いたように様々な画家と交流し、影響を多いに受けたゴッホでしたが、サン=レミで入院してからはほぼ一人で絵を描くことになります。入院しているのだから当たり前ですが。そこからの個性の爆発ぶりがすごいな、と思いました。それが最後の「糸杉」「サン=レミの療養院の庭」等に繋がっていきます。うねるようなタッチと様々な配色、等、個性が最後に一気にはじけて、そして亡くなるという…。線香花火の最後の輝きにでも例えられそうです。こういう印象を持ったのは展示の方法のおかげな気がします。

セザンヌ

 今回1枚だけ、セザンヌの展示がありました。セザンヌについて理解することは、美術鑑賞者としての私の最近のテーマです。素人丸出しの印象なのですが、印象派に交じってセザンヌの展示があると「ん?」と目が留まります。色はどちらかといえば暗いし、タッチも印象派のものとは全く異なる。物珍しく思えます。そして構図や配色の不思議さに引き込まれていく…印象派の画家たちやセザンヌと同時代に生きた人たちもそういう風に、セザンヌに目新しさを感じたのかな?と思う等しました。

気に入った絵 サン=レミの療養院の庭

 展覧会の目玉は「糸杉」でしたが、私のお気に入りは、糸杉と同じ部屋に展示されていた「サン=レミの療養院の庭」という作品でした。モチーフはタイトルの通りで、療養院の庭の木々を描いています。右上から大きくせり出してくる花をつけた木をメインにした構図が大胆でいい気がします。花の色も実物では鮮やかで明るく、家に飾りたいなと思えました。外看板に写真を載せてくれていましたのでnoteに記録できて嬉しいです!

クレラー=ミュラー美術館に行ってみたい

 展覧会の出展リストを見ますと、後半の作品の多くは「クレラー=ミュラー美術館」という美術館から借りています。何年か前に「クレラー=ミュラー美術館展」がどこかであり、そこでもゴッホの「種蒔く人」を見て印象に残ったのを覚えています。ミレーの同題の作品をモチーフに描かれているのですが、配色が全然違うので、ゴッホがこの主題で書くとこうなるのか!と驚いたのです。クレラー=ミュラー美術館は、オランダ国内でも有数のゴッホコレクションを有する美術館だそうです。この美術館の名前は、今回で脳に完全に刻まれましたので、いつかオランダに行って訪れてみたいです。

 ゴッホは割と好きなので見応えもあり、また学びも多い、自分にとっては行って良かった展示会でした。

以上

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