【読書】障がい者ってなんだろう その2

今日は読書記録です。

概要

書名 今日も一日、楽しかった
著者 あべ けん太
出版 2017年
「ダウン症のイケメン」あべけん太さんのエッセイ集です。なぜこの方の存在を知ったかも、もう忘れてしまったのですが、共生社会を考える中でこの本に出会い、手に取ってみました。あべけん太さんの日常がわかりやすい文章で書かれた本です。

驚くほど、”ふつう”

 私は知人にダウン症の方がいないので、ダウン症の方の生活を垣間見たのはこの本を読んだのが初めてです。読んでみて、思ったよりもあべさんが「ふつう」、自分とそう変わらない毎日を過ごし、同じようなことを感じているのだなと気付きました。例えば、
・ビールがおいしい
・仕事がうまくいった、失敗した
・趣味(ボクシング)が楽しい
等です。家事が苦手だったり、運転免許を取るのに結構苦労したりということもありますが、働いて、帰ってビールを飲んで…という日常は全く同じでした。

障がい者って何?

 読んでいるうちに、障がい者って何だろう?とまたしても思いました。というか、一言で「障がい者」といっても障害の程度はかなり個々で差があるんだな、という当たり前のことを気付かされました。全くコミュニケーションが取れない人もいれば、あべさんのように全然自分と日々やってることかわらないなあという人もいます。それを「ダウン症」という症状を持っている人間でひとくくりにして、障がい者、と距離を置いているのは合理的ではないなと改めて思いました。

なぜ「障がい者」に身構えるのだろう?

 これは、差別かもしれない…とわかりつつあえて書いてみるのですが、障がい者の方と街ですれ違ったりすると、少し気になってしまうことはないでしょうか。例えば雑踏で知らない人たちとすれ違うとき、一見して障害が明らかでない人は、いても背景の一部というか、自分の中で特段意識することはありません。でも、車いすの人や杖をついている人、ダウン症の人、等はつい目に入るというか、存在を強く認識してしまう気がします。これはなぜなのか、と考えました。今のところ答えは、「障がい者が少数派と思っているから」です。例えば白ウサギばかりの集団に黒いウサギが一兎いると、つい黒ウサギに注目してしまうけれど、白ウサギと黒いウサギが半分ずつくらいいたら、どちらにも注目しないはずです。また、いろんな色のウサギがいるのを見たら、どの色のウサギにも注目しないはずです。


 障がい者が自分たちと一緒、自分たちと変わらない、と思うためにはどうなればいいのでしょうか。ピープルデザイン研究所の取り組みのように、健常者と障がい者が自然と交じり合う街づくりや場づくりを仕掛けていくのは有効な手段の一つだと感じます。
 では個人レベルでは何をすればいいのでしょうか。障がい者の友達ができたらもっと障がい者のことを理解できるんじゃないか、と思うんですが、大人になってしまった今、知り合える場所がどこかもよくわかりません。全く知り合いのいないところへいきなり飛び込んで行く勇気も今のところありません。

 少し自分のなかで気になっているのが「ユニバーサルマナー検定」です。検定のホームページによると、次のような趣旨で検定が行われています。

ユニバーサルマナーの実践に必要な「マインド」と「アクション」を体系的に学び、身につけるための検定です。

いま、なぜ積極的に障がい者へ関わっていけないかというと、

・関わるためのツテがない
・適切な関わり方がわからない

という二点がネックな気がします。この検定を受けて少し自分に自信をつければ、積極的に障がい者に関わっていけるかもしれないと思っています。
残念ながらしばらくは受けられなさそうなのですが、このnoteに書いてしまった手前、コロナウイルスが終息して1年以内には受検したいです!と宣言しておきます。

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