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待ち侘びる幸せ

冷水派

私は冷たい飲み物が苦手なのだが、愛馬は冷たい水を好むようだ。朝の馬房では、水は大抵凍っている。今朝はさほど寒くはなかったのか(車の表示は相変わらずマイナス10℃だったが)、薄氷程度で、指で押すだけで簡単に表面が割れた。そのあと、だいぶ飲んでいた。(上の写真の氷がわかるだろうか。)

乗馬の後に必ず水をあげるのだが、冬場はお湯を好む馬が多い中、愛馬はお湯だと飲みたがらず、水に変えると飲む。

バケツを歪めるのは誰?

馬たちの飲み水を入れるバケツ。イビツな形をしてたりするが、なぜかと思ったら、すっかり凍った水を出すのに人間が地面とかに打ち付けて出さないとならないからのようだ。とけるのを待てばいいのでは?と思った方は真冬日を知らなかった私と一緒。最高気温がマイナスなので、ほっておいてもとけないし、むしろ膨張してバケツが割れるかもしれない。第一バケツはあっても厩舎用1つと放牧地用1つなので、朝、厩舎で凍っていた水を出しておかないと夕方厩舎に戻る馬の水を用意できない。すっかりバケツの形なった氷は出しておかなければならないのだ。だから多少お湯でとかしたりお日様に当てた後は、ガンガンとコンクリの床とかに打ち付けて氷を出してバケツを救う。歪みは馬力によるものではなかった(疑ってごめん)。

春よ来い

水一つとっても、自分はこれまで体験しなかったことばかりで、驚きの連続だが、寒いからこその喜びもあって、春が待ち遠しい、待ち侘びる、しかもそれを周りの誰もが共通して感じていると思える感覚は、久しく味わうことがなかったものだ(昔、紅白歌合戦を誰もが楽しみにしていた感じに近いのかな)。しかも、早朝の太陽や、日が長くなったことで、待ち侘びているものが近づいて来ていることを肌で日々感じる。なんとも幸せな感覚だ。

ギャップ

ITの世界で働いていると、速さが重要だ。頭の回転も、しゃべる速度も速い人が多く、すぐに反応が返ってこないことを忌み嫌う。(こういう人たちのおかげでスマートフォンですぐに検索結果が出てくるのだと感謝はしている。)ピリオドがない感じで話す人に、通訳するのだからもう少しゆっくり話してほしいと、打ち合わせの際にお願いしたら、そんなことしたらみんなメールをチェックし始めて、話を聞かなくなる、と言われて開いた口が塞がらなかったことがある。

そんな世界とのギャップゆえに、浦河の寒さの中でも私はとても幸せに感じるのかもしれない。今日のスピーカーも速かったなぁ。1時間の通訳が筋トレ(しごき?)のように感じられた。

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