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フウイヌム国

今の生活は、人よりもずっと数多くの馬に会う日々だ。まるでフウイヌム国に迷い込んだようだ。

フウイヌム国

カタカナの部分はHouyhnhnmと綴る。英語では馬の嘶きをwhinnyという動詞・名詞で表現するのをもじったと言われている。日本語に直したら、ヒヒーン国といったところだろうか。

ガリヴァー旅行記

一体何の話? 気でも触れた? と思われても無理はない。ガリヴァー旅行記といえば、下の絵しか思い浮かばないと思うが、フウイヌム国はガリヴァー旅行記の4つの航海の最後、4度目の航海で訪れた国だ。

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馬の国

そこは高貴で知的な馬の国なのだが、そこにヤフーという見た目が人間みたいだが、野蛮で汚らしい生き物がいて、ガリヴァーはヤフーと最初思われるのだが、言葉も覚え、知性が多少あると見て取ったフウイヌム族の高い位の馬が、ガリヴァーに住む場所を与え、会話をし(ただし、身分は馬が上で、ガリヴァーが下)、母国イギリスや人間の世界全般を説明するのだが、痛烈な風刺となっている。

現在に通じる

1735年に出版されたとは思えないほど、現在にも当てはまる描写がそこここにあり、大人になって読むとすごく面白いと思う。翻訳もしなおされているので、文章も読みやすい。小学生の頃に読んでもチンプンカンプンだったし、今の小学生にもこの風刺を楽しめるかどうか、難しいところではないかと思う。健康について書かれたところなど、驚くほど今の人間の世界に通じる話だ。

ラピュータ

ガリヴァーの3つ目の航海でラピュータというのが登場するが、天空の城ラピュタはここから命名されたのではないだろうか。

ITでも

ITの世界にもガリヴァー旅行記に由来する言葉がある。ビッグエンディアンとリトルエンディアンだ。バイトの表示順を大きい方からにするか、小さい方からにするかを示す言葉なのだが、誰もが知っているガリヴァーが最初に流れ着いた小人の国(リリパット)でゆで卵の丸い方(Bid end)から割るか、尖った方(Little end)から割るか、という議論というか対立があり、そこに由来している。

やっぱりそうかな

上品な水の飲み方やレッスン終了後に人参を期待しつつも、前掻きをして催促したりしない高貴(?)な愛馬の姿を毎日見てると、やっぱりフウイヌム国にいるのかなって思う。

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(持ってきたのかな?)

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(まだかな?)

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