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【Go to River a】 理辺良と行くスペインの旅 12/21/2019 成田空港から始まる

1年前の12月21日 
私は 成田空港の 出発ロビーにいた。
汗びっしょりで。

体中から 湯気が出ていた。。。
ANAの出発カウンターで 私は 脱げるだけ、脱いだ。。。

スーツケースの鍵が開かない!
暗唱番号を。。。開かない!
汗が滝のように流れてた。

2時間前に 私は、円をユーロに替えた。
その時に、「限定キャンペーン」で、アンケートに答えると
「マスク1枚」か「ディズニーランドの隣のホテルのディナー」
が、どちらかが もれなく当たる、と 言われた。

そりゃー、ディナーでしょう。。。

まんまとひっかかった。
1時間以上も説明を受け、結局、マスク1枚にした。
ヨーロッパの一人旅は 30年ぶりだ。

30年前のクリスマス。
バチカンでクリスマスミサに与り もみくちゃとなり
ウィルスをもらい 40度の熱が出た。。。
今から思うと あれは ただのインフルエンザではなかったと思う。
今流行りの ウィルスによる 症状に似ている。。。
(この話は また べつのお話し)

今回は あの時のように ならないようにと 緊張した。
しかし、換金までは 全て調子よく このままゆけば、、
という 気が抜けた所に 魔が差した。

マスク一枚のために、私は 1時間も時間を潰し
慌てて 出発ロビーのカウンターに行く。
(この時すでに、汗をかき 上着を脱いだ)

チェックインのカウンターの人は日本人ではなかった。
「スーツケースを開けて下さい」と英語で言われ
Sure..なんて 得意げに応えた。

開かない! 暗唱番号を忘れた!
えー=============
「あの、、、 このスーツケースって なんていうか、、、
鍵が無くても 開くんですよね、、、なんて」
えへへ、、、みたいな 英語で しゃべった。。。
すると カウンターのハンサムな彼は
Sure... と どや顔で 答えた。

でもさー、何で 英語? ANAでしょう?
しかも 私のパスポート 菊の紋ついてるでしょう?
おちょっくてる?????

そんな質問など している暇はない。。。
どうしよう。。。
主人に電話する。 繋がらない。。。
おーい、おーい、暗証番号を教えてよ===

やっと、数分後に繋がる。
すると主人が「鍵があるでしょう」という
「鍵がなくても開くって、言ったから、家に置いてきたよ=」と、私。
(もう、あなたが、鍵いらないって言ったからじゃん!の 気持ち、炸裂)
すると、また「暗証番号があるでしょう」という
「暗証番号、いろいろやったけど、だめなの!」

主人が、スーツケースの売り場に行けば、たぶん大丈夫だ、と言った。
でも わたしゃ、あなたが ご存じの通り 方向オンチなのよ。
ANAのカウンターに来るのにも、換金した後、ぐるぐる回ちゃったのよ==

必死の思いで、インフォメーションセンターに行く。
すると、靴の修理の店で鍵を壊してくれるという。
壊す。。。でも 仕方がない。
書いてもらった地図を頼りに、靴の修理のお店へ。。。

見た事がある風景。。。
あーーー、隣は、さっきの換金ブースだった。。。
さっき、1時間も説明した時、彼は満面の笑顔だったのに、
今は、汗だくの私を見て、素知らぬ顔をした。

あーた、が あの時、、へんな勧誘をしなければ、、
と 彼にマスクを返したかったが、隣のお店に突入する。

「すみません。鍵が開かないんです。」
すると 靴屋のマルチンのような店主が ちょっと 英語なまりの日本語で
「壊さなくても 開けれますよ。 5分ぐらいで 料金は3000円です」
「でも、その前に もう一度 思い当たる番号をやってみて下さい。
   たとえば 誕生日とか。。。」

それは、やってるの。。。さんざん、だから、来たのよ!」と
心の中で 泣きながら 言ったが
「そうですね。 やってみます。」

そして、はた と 気づいた
主人や息子の誕生日、あるいは記念日だったが
自分の誕生日は 試してなかった。

開いた!!!!!
「開いた======」 小さな店の真ん中で 叫んだ!

店主マルチンは、「では、お金はいりませんよ」と ぽつんと言った。
私は 彼に飛びつきたい衝動を抑え 深々とおじぎして 店を出た。

走った。。。 走った。。。 草原を走る馬のように。
体から蒸気が上がっているのが わかった。

カウンターに着く。彼が待っていた。
もう、手続きは終わったという、なので、
スーツケースを機内に 運ぶという。
今度は 日本語だ。(なんで=====)でも、聞けなかった。

彼は まるで 宝塚の男役トップスターが 娘役をエスコートするように
私を見つめ? 私のスーツケースを持ち、走った。。。

ボディチェックをする。。。ぴっぴ―っと、なった。

サーモグラフィ画像が真っ赤だった。
特に腰のあたりが 女性の担当者が私の腰に手をまわした。
「ホッカイロを取りましたよ」

おーーー、ホッカイロが あったんかーーい
なんて 言いたかったけど、、、
そんな事、言ってる場合じゃなかった。。。
「あっ、捨てて下さい。。。」

そして、やっと、搭乗する人たちの列に辿りついた。
私をエスコートしてくれた彼は、いつの間にかいなくなっていた。
ありがとう。。。私のホッカイロ、見ましたよね。。。
と つぶやいた。

私一人だけ 列の中で 💦びっしゃり 雨に濡れた状態だった。。。

機内に入る。隣は仲良しのバックパッカー夫妻だった。
汗だくの私とは違い、ゆったりの 二人だった。
「ベルギーまで 宜しくお願いします。」とあいさつした。

ANAは初めてだった。 
椅子は広い。食事も良い。サービスも良い。
なにしろ隣の2人の会話が心地よい。。。
ANAにして良かった。。。
(ANAにしたのには、深い理由がある。。。)

そう思った瞬間、この数カ月の事が 急に わーっと 浮かんできた。

屋根の一部がはがれ、床が無く、トイレも 温かいお湯もない
洗濯機 冷蔵庫 、、、もない

毎日 毎日 除菌すぷれーを撒き ごみをなったものを捨て、、、
ダンボールにしたら たぶん何百箱になるだろうか
手は消毒液でぼろぼろ 髪はぼさぼさ 腰はがたがた 歯はぼろぼろ、、、

コンビニ 銭湯 コインランドリー を ぐるぐる回る毎日。
老後の為にと蓄えた資金は 全て家の改修費になり 消える。。。

蓄えは 限りなく0に近い。
しかし、主人が 「今がチャンス 」と言って 私を送り出してくれた。
本当に 神様のような人だと。。。思う時が ある。
(そうでもない時も ある(笑)が それは また 別のお話し)

不思議だった。。。
この1年 多くを失った
母 息子の職 理辺良の遺品 家財道具 相続の権利 自尊心。。。
しかし
有り余るほどの 予想もしなかったgift を頂いた
思いがけない手助け 息子のアパートでの避難生活 新たな出会い。。。

涙がこぼれた。。。 
怖かった 悲しかった 冷たかった 臭かった。。。あの時
でも  
安心だ 温かい 辛くもない 良い香りだ 。。。今ここ

飛行機は ベルギーへ向かい、そこから ロンドンに、
そして、
理辺良のお墓があるマドリッドへ。。。

イギリスに行くのには 理由があった。
ある一枚の絵を見に行くためだ。
「荒野のイエス」
スタンレースペンサーの描いた絵。

理辺良と行くスペインへの旅は 次へと つづく。。。

#スペイン #旅 #方向オンチ #鍵  

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