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推しの名前を我が子につけようと思ってみた話


#名前の由来  というハッシュタグがnoteではやっているらしいというのを目にし、そういえばベビイさんの名前を決めたのも2年前の今頃だったかなとふと思い出した。以前Twitterでも細々書いたものと重複するのでそれ聞いた、という方もおられると思うが、備忘録として書いておこうと思う。


2018年の夏、当時通院していた産婦人科で私は実子の性別が男であることを知った。

話は早々に逸れてしまうが、私の母方は女系家系である。私は妹と2人姉妹、母は1人娘、祖母は4人姉妹と3世代筋金入りだ。私の実家は田舎の本家筋になるのだろうか、親戚の多い家で母が父を婿養子として娶っているのだが、男が生まれたのは80数年前の祖父の弟が最後と聞かされて育った。なので、漠然と自分も出産するのは女児だけだと思い込んでおり、女の子だったらあんな名前が良いな、こんな名前が良いな、とぼんやり想像していたのだ。ところが、エコーに映る我が子は素人目に見ても男児だった。顔を両腕で隠し、エコーからは背を向けているくせに胎内で盛大に局部を見せつけるように開脚しているのだ、何がしたいのあなた。その大胆なのか恥ずかしいのかよく分からない体勢と、自分が男児を産むと全く想定していなかった混乱とショックで「ああ…男の子ですねこれ…」と言ったら顔が相当まずかったのか、担当の先生に「うーん…そうね、でもね、うん、多分男…うん、でもまだ分かんないけどこれはほぼ…うん、まだ分かんないけどね!ね!」と謎のフォローを入れられた。

夫は子どもが男児だったことを告げると「俺は男の子がほしかったから」と喜んでくれ、当時の職場の上司(精神科医)とかかりつけの精神科の先生にも性別が分かった旨を話すと「良かったねママイさん!男の子はいいよぉ!」と手放しで喜んでくれた。母は「私男の子は分からんで!?」と何度もくぎを刺してきた。


さて、性別が分かれば早速取り掛かりたいのが名づけである。

男児の名前というものを全く考えていなかった私に、「推しの名前というものがあるじゃないか」と教えてくれたのは誰だったか。職場の先輩か後輩だった気もするが記憶が定かではない。そうか推しか、これは良いことを聞きましたとそのまま名付けにスライドできれば良かったのだが、私の推しというのが刀剣乱舞の男士たちで、私の近侍は驚きをこよなく愛する白い太刀だ。鶴丸でも国永でも令和を生きる我が子につけるにはあまりにも重々しいと感じ却下となった。その他にも諸々候補は出してみたのだが、以下の理由で却下した(該当する男士やその名前の方を貶める意図はありません、悪しからずご了承ください)。

・みっちゃん…燃えてしまったので人名っぽいんだけど我が子につけるには由来がちょっと怖いかもしれない

・長谷部…もはや名字だし国重にしてもなんか重たい気がする

・いちにい…ひらがなで書いたときに女児っぽいので思春期に恨まれそうで怖い

・伽羅ちゃん…これはみっちゃんや清光にも共通するのだが、母から「光」の字を使用するのはできれば辞めたほうが良いと言われており(母の周りでその漢字を使うとその子の兄弟が短命になるケースを何人か見ているらしい。こう書き出すとものすごいオカルトだ、母の周りはどうなっているんだ…)やめた

・清光…最後折れてしまったので我が子につけるにはちょっと物理的に痛そうに感じてしまった

・日向君…これはいいんでないの、ひなたくんでもひゅうがくんでも爽やかでよくある名前じゃないのと思ったら名字と恐ろしく相性が悪かった

・藤四郎君…もはや刀派である。人名っぽいよねと夫と話していて(夫も当時審神者)、審神者の友人にもそれを話したら長男のミドルネーム(仮)にされた。産後ハイになって藤四郎君にするね!ともし友人に言ったら違う名前に決めてたでしょうと止めに行くね、と真剣に言われた。ありがとう、私は産後ハイどころかうつです。


結局、推しの名前を息子につけることは叶わなかった。その他にも本を見たりネットで調べたりしていくつか候補を出したのだが、やれ画数が多い、知り合いに同じ名前がいるから嫌だなどなど、とにかく夫とびっくりするほど意見が合わなかった。最終的にネットで見つけた名字と相性の良い名前一覧からピンとこの名前がいいな、と思ったものを名前としたので、はっきりした長男の名前の由来はない。強いて言うならば、まっすぐに、自分の決めた道を誠実に歩んでほしいという意味合いが入った漢字をつけている。個人的にはまあ名字との相性は良いものを選んだので画数は大丈夫で、ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字どれで書いても書きやすく、読み間違えもなく、ありふれているがそんなに被らない名前なので気に入っている。まあ本人がどうしても名前が気に入らなくて改名したいと言い出したら、その時性懲りもなく候補に推しの名前でも出してやろうかな、と思わないでもない。


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