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生まれつきある青いあざの治療法

うまれつき赤ちゃんにはお尻から腰にかけて青いアザがあります。

蒙古斑(もうこはん)といいますが、10歳くらいまでに薄くなり消えていきます。

お尻ではなく、肩や足など、通常できやすいところとは異なるところにできる青あざを異所性蒙古斑といいいます。

異所性蒙古斑に対しては保険でレーザー治療の適応もあり、大人になっても残る場合はレーザーをすることが治療と思っていましたが、先日東海大学形成外科の河野太郎先生がWeb講演で異所性蒙古斑のレーザー治療についてご講演されており、意外な結論だったので、まとめます。

95%の異所性蒙古斑は自然消退するので、薄いものは経過観察します。

濃いもの、洋服から出て見えるようなところは早期にレーザー治療することもありますが、逆に見た目が悪化することがあります。

レーザーをあてて青いあざは薄くなったとしても、色素脱失(色が白くぬけてしまう)や色素沈着(茶色いシミのようになる)が起きやすく、しかもかなり高い頻度で起こるようです。

この色素脱失は腕、足に比べて体の蒙古斑への治療時に起きやすく、1回だけあてても起こることがあります。

また、小さいお子さんに広範囲にレーザーをあてるときは、動かないように、全身麻酔が必要になります。蒙古斑のレーザー治療は1回では消えないため、期間を空けて数回あてることになりますが、3歳未満で繰り返し全身麻酔を行うと記憶障害など脳に障害がでる合併症のリスクもあります。

これらのことを考えると、レーザー治療は今の段階ではあまり勧められず、経過観察がよいのではないかと思います。


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