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【マリ滞在日記】おい、どこ行った旦那よ。


本来の旦那はかなり自由人🗽


「マリク!マリク!」

…ハァ、また旦那がいない。


"また日本からきたマリクの奥さんが
いなくなったマリクを探しているぞ。"


庭で洗濯をしているハウスキーパーちゃん達が
ニヤニヤしながら私を見ている。

「マリク、ウテーノ。ケネマ。」
笑顔で私に何かを教えてくれるが、
何を言ってるか私にはわからない…。

(あとで確認したら、
 「マリクはいないよ。外に行ったよ。」
 と教えてくれていた)


自分の旦那が、私の知らない本来の姿を現したのは
滞在2日目から。

数年ぶりの故郷に帰った開放感とでもいうのか、
普段は我慢強いタイプの旦那が
一気に解き放たれた鳥のように飛び回る。

友達や知人に会いに出かけるのは
理解できるし、

これまで自国ではない海外で生活して
とても窮屈な思いをしていたと思う。

むしろ羽を伸ばして癒されて欲しい。


しかし、解き放たれた旦那の
行動は予想を遥かに超えて

超!!自由!!!


滞在2日目から、
まだ打ち解けていない家族の家に
ポイッと私を放り込んで

「じゃ!ガンバッテ!」

と早々に出かけて行ってしまった。

…え?…え?
言葉の通じない、来たばかりの
外国人の奥さんをほっぽってどっか行く?普通。


マイペースでちゃっかり者の一面もあることを
知っていたが、ここまでとは。


笑顔を向けながら立ち去る旦那を
全力で睨みつけて、

旦那が見えなくなったら、腹をくくった。


おぅおぅ、やってやろうじゃねえか。


私のコミュニケーションツールは
英語と笑顔と翻訳アプリ。


私が置き去りにされたのは実家の隣の家。

旦那の従姉妹にあたる女の子がいた。
従姉妹のファンタバは年頃の18歳そこらの女の子。

バンバラ語とフランス語しか話さない。


Google翻訳を使って会話するが
お互い面倒くさくなって
ひたすらジュースをすすっていたら

また違う女の子がやってきて、
イスラムの女性が着る、布を巻き付ける風の
ドレスをプレゼントしてくれた。



露出を控える文化の洋服は、予想以上に
着心地が良くて、エレガントで、良い感じ。
 


そしてTikTokのセルフィー撮影会が始まった。

ファンタバが奥の部屋から
ウェーブヘアのウィッグを持って来て
装着しセルフィーを撮り始める。


年頃の女の子だなぁ。


オシャレして何枚も自撮りをするのは
アフリカのティーンエイジャーも一緒のようだ。


「ところで、もう1人のあなた、
 なんて名前なの?」

後から来た女の子に聞いてみた。


「ファンタバだよ」

「え?違う違う、あなたの名前は?」

「だから、ファンタバ」


え?


目の前の2人の女の子、
どっちもファンタバなん??


友達と名前が同じなんて
面白い偶然だなぁ。

そう思っていたのも束の間、

後に出会う、従姉妹のファンタバの
仲良しグループ4人

従姉妹のファンタバ含め、4人の名前が
揃って"ファンタバ"だった。


そんなことある⁈


アフリカの名付け文化🌳


日本で出会ったマリ人達の名前が
かぶっていることは良くあった。

旦那と話す時は、「〇〇(地名や駅名)のムハマド」と追加の情報も添えて話さないと

どの人の話なのか特定できない。

また、名前が複数ある人もいた。

本名なのかあだ名なのか良くわからない人もいる。

マリでは子供が産まれたら、
家族の名前を受け継ぐのが伝統。

だから祖母と同じ名前、叔父と同じ名前
従姉妹と同じ名前、というのはザラにある。


じゃあどうやって呼び分ける?


ファンタバガールズ達に聞いてみた。

ファンタバ①→ファンタバ
ファンタバ②→バファンタ
ファンタバ③→バ
ファンタバ④→マ

みんなあだ名をつけて呼んでいるようだ。


義母も、家族間で本名とは違う名前で
呼ばれていたので聞いてみた。


義母は本名ではない、自分の母の名前を
あだ名として大事にしていた。


大切な人の名前を受け継ぐ文化は素敵だが
名前の概念が違いすぎて呆気に取られた。


そして私も、YUHOは覚えにくいということで
マリ人の名前をつけてもらい、


滞在3日目から、私は"マリアム"になった。



さてさて、新しい名前をゲットした瞬間に
バシバシに呼ばれまくり
(違うマリアムさんの分まで返事をしてやった)



クタクタになったタイミングで

ひょっこり顔を出す、旦那。



まるで5歳くらい若返ったかのように、
目がキラキラしている。


対して私は5歳老けた感覚でいた。


「マリアム!マリアム!」

またまたハウスキーパーちゃん達が
面白がって私を呼びまくる。


もう!わかったよ!うるさいな!笑笑

ちょっと逃亡しよう。


いつもご飯を食べて
お腹いっぱいになったら
フラーっといなくなる旦那に
ついて行ってみることにした。

その話はまたの機会に。




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