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丸善を推す

 お茶の水と丸の内の丸善が好きすぎる。
 好きすぎるので、朝から晩までいたい。もしかすると、新宿の紀伊國屋などもおもしろいんだろうか。他にもいろんな「いい本屋」があるんだろうが、わたしは丸善に何一つ不自由していない。よって、開拓しなくてもいいと思っているし、ついついこの二軒で満足してしまう。まだ出会っていない、すばらしい何かに出会うチャンスを捨てているような気も最近している。本屋にも個性があるのかもしれない。他の本屋を知らないようでは、わたしは丸善を何も知らないのと同じかもしれない……!新宿とかは、なんかそこにいるだけでエネルギーを吸い取られてミイラのようになってしまうんだよな。用もないしな。

 お茶の水店は、経由する用事があるときなどに立ち寄る。そして時間の許す限りいる。人文学系のコーナーと、二階の趣味を煮詰めたようなコーナーを何往復もしている。その他のコーナーも、通っていない通路を塗りつぶすような感じでひととおりじろじろ見ていく。
 丸の内店はほんと、ワンダーランドや!!て言いたくなる。惚れ惚れするほど大きな棚の上の方までびっちりと本で埋め尽くされていて、もう棲みたい。どれくらいの期間ここに棲んだら、外に出たくなるんだろう。もういやだ。本なんかうんざりだと思う日がくるんだろうか。来ないような気もするけど、まあそれくらいに本を浴びたいという欲望がある。これは欲。

 わたしはこの週末と先週末、お茶の水の丸善に行く機会に恵まれてほんとうにハッピーなことであった。わたしは本屋で働けばいいんだろうか?そしたら幸せになれるのか……幸せとは……
 お茶の水には、文房具屋とか画材屋があるのもよいのです。

 それで、今週買った本はこの四冊ね。

帯ならまだしも表紙に東大京大で一番読まれてるとかでっかく書くのやめてくれよな。恥ずかしいから。


 日頃から、何か疑問がわいたらすぐに本を買おうとしてしまう。ふと、「涙とは飾りなのではないか?」と思ったとき、「ねえ思ったんだけどさ、涙って飾りなんじゃない?ハッハーン」て言える相手がいないんだよ。いたら、いきなり本を買わずに誰かに言うかもしれない。そんで、「いやわかる、あたしも最近それ思った」みたいなこと言ってもらって、雑談っつうやつをできるのかもしれない。でもいないんだ!いないから買うのさ、本を。それで、「涙とは何か」みたいな本を見つけようとする。とまあそういうパターンもあるし、あとは、店内をパトロールしていて、気になったタイトルを買うこともある。今回だと、わたしって文化人類学とか、哲学的なことに興味があるんだな~と思ったりする。人々がどう言葉を選ぶのかとかも気になる。
 あとはユング。わたしはユングを理解したい。ユングを理解してBTSの言わんとしてること見たいんだ!うおおお!
 このほか、買おうとおもった小説が何冊かあったけど次に本屋に来るまでに読み切れない可能性があるのでやめた。図書館の本だって借りてるわけです。能力以上の読むべき本を手元に置いて、欲張りな子だよあたしゃ。なぜ小説を買うのをやめたかと言えば、これは近所の本屋だろうがどこかで立ち寄る本屋だろうがどこでも目につくと思ったからです。今回買った4冊は、今買わないと次本屋に行った時は忘れてる気がするし、なんかもう出会えないような気がした。次もピンとくるか不安だった。あれだけたくさんの出会うチャンスにあふれる空間はないよなあ。本屋の楽しさは、読書の楽しさはまた別なのかもしれない。両方あたえてくれるなんて、本はすばらしいなあ。

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