見出し画像

「名もなき育児」こそが子どもの非認知能力を高める

数日前、職場復帰に向けて、1日のスケジュールを書き出してみた。
その中に、子どもに関わる項目がいくつかあった。

・子どもを起こす
・子どもにご飯を食べさせる
・子どもを着替えさせる
・保育園準備
・保育園送迎
・子どもをお風呂に入れる
・歯の仕上げ磨き
・絵本の読み聞かせ
・子どもを寝かしつける

書き出してみて気づいたのは、スケジュールには組み込みにくい「名もなき育児」が多く存在するということである。
しかもそれこそが「非認知能力」を育成するために必要不可欠なことなのではないかということだ。


非認知能力について

非認知能力って何?

計算力や語学力といった学力テストなどで測れる能力のことを「認知能力」と呼ぶ一方、コミュニケーション力や意欲、忍耐力など、数値での測定が難しい能力のことを「非認知能力」と呼びます。

OECD(経済協力開発機構)によると、非認知能力は「社会情動的スキル」であると位置付けられ、3つの要素を軸としています。

●目標の達成:忍耐力・自己抑制・目標への情熱
●他者との協働:社交性・敬意・思いやり
●情動の制御:自尊心・楽観性・自信

みんなの教育技術

変化の著しい現代、人生100年時代を生き抜くためには、認知能力よりも非認知能力のほうが重要になってくるのではないかと思います。

非認知能力の具体例

非認知能力の名前     具体的な能力 
自己認識         やり抜く力、自分を信じる力、自己肯定感 
意欲           学習志向性、やる気、集中力 
忍耐力          ねばり強く頑張る力 
セルフコントロール    自制心、理性、精神力 
メタ認知         客観的思考力、判断力、行動力
社会的能力        リーダーシップ、協調性、思いやり 
対応力          応用力、楽観性、失敗から学ぶ力 
クリエイティビティ    創造力、工夫をする力

https://www.embot.jp/news/36501
「非認知能力とは?幼児期から学童期に育てたい「人生を豊かにする力」

自分が子どもの頃には、意識していなかったけれど、大人になってから大切だと感じた能力が集結しているような感じがします。
こうなってくると、わが子には幼児期からこの力をつけさせてあげたいと思うのが親心…。どうしたら、非認知能力がつくのか。

非認知能力を育むには

GAKKENの「非認知能力はなぜ重要なの?これからを生き抜く上で身につけたい非認知能力とは」という記事に、学校や社会で必要となる非認知能力を高めるため、保護者が子どものためにできることがまとめてあった。

以下引用

1、子どもが興味を持ったことは積極的に応援する

子ども自身が興味を持ったことや楽しんで取り組んでいることをどんどん応援してあげると、非認知能力がアップするといわれています。「あぶないから」「時間がないから」といった理由で、やりたがっていることを制止しないようにしましょう。

2、「子ども自身が決める」という経験をさせる

自分自身で決める・選択するという経験が、子どもの非認知能力を高めます。「○○ちゃんはどうしたい?」「どっちを選んだらいいかな?」と問いかけて、できるだけ多くの場面で子ども自身に物事を決めさせるようにしましょう。
自分に決定権があることで子どもは大切にされていると感じ、自己肯定感も高まっていきます。

3、失敗しても前向きな声かけでサポートする

子どもに限らず、うまくできなかったり失敗したりすることは誰にでもあるでしょう。そんなときに子どもを責めたり、がっかりした態度をとったりするのは好ましくありません。「もう一度やってみようか」「こうしたらうまくいくかな」と前向きな声かけをして、子どもの挑戦しようという気持ちをサポートしてあげましょう。

4、がんばっている経過を褒める

褒めることが子どもの自己肯定感を高めることは分かるものの、単に「えらいね」といった褒め言葉だけでは子どもにうまく伝わらないこともあります。結果だけを褒めるのではなく、結果に至るまでのがんばりも含めて褒めるとよいでしょう。
また、保護者の方の「ありがとう」という言葉は、「人の役に立っているんだ」という喜びにつながり、子どものやる気アップを支える力となります。

引用終了

非認知能力育成は、スケジュールに入れづらい

先に述べた、非認知能力育成のための保護者の行動は、単純に1日のスケジュールに組み込めるようなものではなく、子どもの行動に合わせて柔軟な対応が必要なものばかり。まさに「名もなき育児」である。

たとえば、子どもがスイミングを習っているとする。
スイミングの送迎は「名のある(項目としてあげやすい)育児」であるが、子どもがスイミングの進級テストに落ちてしまい、スイミングを辞めたいといってきたとしたらどうだろう。途端に「名もなき育児」が顔を出す。

「これまで、練習頑張ってきたよね」と頑張っている経過をほめ、「どうやったら進級できるか一緒に考えよう、もう少し頑張ろう」などと前向きに考えさせ、最終的に辞めるのか続けるのか、子どもに選択をさせる…。

すべてが、非認知能力の育成につながっているが、スケジュールには組み込まれていない「名もなき育児」である。

他にも、「名のある育児」に「名もなき育児」が隠れている場合もある。例えば、保育園の送迎中、道端に咲く草花に興味を示した子どもにどんな声掛けをするか。足を止めて一緒に観察したり、なんという草花なのか調べたり、子どもの興味関心を高めることができたら、非認知能力育成につながる。

また、子どもにどんな声掛けをしたらいいかなど、様々な書籍やサイトを使って学ぶこと。これも、育児のために行っていることではあり、非認知能力育成に寄与すること間違いなしだが、「名もなき育児」である。


非認知能力育成=「名もなき育児」を分担する方法

スケジュールに組み込まれている「名のある育児」に比べて、「名もなき育児」は分担するのが難しい。

なぜなら、タイミングも加減もその時々に応じて変わってくるからである。

正直、我が家では私がこの「名もなき育児」をほとんどすべて担っている。私の感覚では周囲のママ友たちも、ほとんど私と同じような状況である。

では、目に見えづらい「名もなき育児」をどう分担するのか。

報連相の徹底

「習い事辞めたいっていうんだけど、どうしたらいいと思う?」
「今日、保育園の送迎でこんな植物に興味を示していたよ」など

「名もなき育児」に関する報告・連絡・相談を適宜行い、夫などのパートナーを子どもの非認知能力育成に巻き込んでいく。

「名もなき育児」を習慣化する

「名もなき育児」を我が家のオリジナル育児として、習慣化する。
例えば…
●毎日寝る前に家族全員に「ありがとう」を言う
●週に1回、家族会議を行う

などである。
こうすることで、「名もなき育児」が顕在化し、夫婦で協働で子どもの非認知能力を高めることができる。

最後に

今回ハッシュタグ企画をきっかけに「名もなき育児」と「非認知能力の育成」「育児の分担」について言語化するきっかけとなった。

整理してみると、育児ってなんて尊い営みなのだろうと、それを専業で行っている自分を尊敬した。

「名もなき育児」をほぼすべて担っていることを、非認知能力を育成しているんだとポジティブに捉えることができたら…

それこそ、自分自身の非認知能力の育成につながっているといえるのではないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?