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【私学採用】 系列校の試験で最終選考まで残り、落ちた話


系列校の採用募集

現在非常勤講師として勤めている学校(キリスト教系の某有名私学)の系列校で募集が出ているのを偶然発見した。しかも採用条件を見てみると私の専門とピッタリ合致しているではないか。系列校+自分の専門(+修士卒)となればこれ以上有利なことはない。すぐに応募した。

試験は3段階にわかれていた。一次は書類審査、二次は(あまり詳細に書くと特定されそうなので割愛するが)専門の筆記試験のほかに、専門科の教員との面接などを併せた複合的な試験。そして三次が管理職・専門科の教員との面接だった。

一次試験〜二次試験

募集の締切から程なくして学校から葉書が届いた。一次はなんなく通過。次いで二次試験の会場に集められていたのは自分を含め4人。一次試験=書類審査の段階でかなり絞られたようだ。

二次試験の手応えはまずまず。自分の専門についての試験だけだったのは幸いだったが、筆記試験の出来は正直あまり良くなかったとおもう。面接も手応えがあるようには決して思えなかった。

ところが試験の4日後にふたたび葉書が届いた。なんと合格していたのだ。すっかり落ちたとばかりに思っていたので(上司に試験の様子を伝えたところ、「それは絶対に落ちたな笑」と言われ落胆)、この段階でテンションMAX。まだ採用が決まったわけでもないのに、次の引越し先などをネットで調べたりしていた。我ながら能天気とかいうか、底無しのアホである。

三次試験−最終面接

そして最終面接の当日。指定された場所で待っていると案内係の先生が私を呼びに来た。この段階では面接の形式はおろか、自分以外に何人が残っているかもわからない。

控え室で交通費を受け取ると、直後に面接が始まること、そして面接官は校長を交えた専門科の教員全員であることが伝えられた。そんなものだろうと思っていたので特段狼狽はしなかった。が、さすがに最終面接とだけあって緊張しているのが自分でもよくわかった。これで全てが、来年以降の自分の行末が決まる。そう思うと、自然に体に力が入った。

面接そのものは極めてオーソドックスな質問ばかりであったように思う。部屋の中央に設けられた椅子に着席すると、中央に鎮座している校長先生からまず挨拶があり、次に自分の名前と、この学校を志望した理由を尋ねられた。これが面接の始まりだった。少なくとも、ネット上の体験談によくある雑談みたいなものではなく、かなり形式的な質問をそれぞれの先生が順番にしていくというスタイルだった。私も淡々と質問に返答し、30分ほどで面接は終わった。部屋の中はひんやりとしていた。

結果

結果は不合格だった。同じく最終面接まで残っていた(らしい)研究室の後輩が採用された。試験が終わった1時間後くらいに学校から電話があったらしい。私と彼とは端的に正反対の性質を持った人間で、私が不真面目で能天気な性格なのに対し、彼は成績も優秀で、かつ社会人としての素質それ自体も備わっている人間であった。つまり、より真面目で勤勉な人間の側に軍配が上がったのだった。学校教員の採用試験なのだから、至極真っ当なことだ。

不合格の理由と反省

なぜ私は不合格になってしまったのか。

理由①

まず第一に考えられるのは、志願校についての圧倒的な研究不足だろう。例えば「なぜ本校を志望したのか?」という問いに対し、きちんと研究していないと「生徒と教員の距離が近い」だとか、「ICT教育に力を入れている」みたいな、非常にありきたりな回答しかできない。これは言ってしまえば、「あなたの学校でなくても別に私はいいんです」というのを自ら告白しているようなものだ。

常識的に考えて、そんなことを言う奴が採用されるわけがない。そして私は、「系列校だから有利だろう」という自らの奢りによって、この志望校研究を疎かにしてしまったのだ。系列校といえど、学校それぞれに特色がある。周到にホームページや学校紹介を読み込み、あるいは自分の周りにいる卒業生に質問するなどして、事前に得られる情報はすべて手に入れる。そうして志望理由を徹底的に練り上げる。私学の志望者であればみんなやっているであろう、そんな基本的なことに、私は考えが至らなかったのだ。

理由②

次に考えられるのは、学校の雰囲気と私のパーソナリティとの不一致。私の志望した学校は比較的伝統志向というか、良くも悪くも「真面目さ」がある学校だった。わかりやすくいえば、探求活動よりも系統学習を重視するという感じだろうか(かえってわかりにくい?)。

そういう学校であるから、なるべく学力が高く、なおかつ真面目な人間を好んで採用するのは当たり前なことだ。詳細は恥ずかしいので割愛するが、面接のなかで、私は突飛なことを随分とあけすけに述べていたように思う。たとえば、私は勉強が好きではない、だとか。今思えば、自分から落としてくださいと言っているようなものだし、そればかりか、ただの気持ち悪い、イタイ奴だ。

結論

私学採用の試験を受けるのであれば、やはり志望校に関する研究を周到におこなっておくこと、そして面接で何を聞かれてもいいように、事前に準備しておくことが大事だろう。そう、なによりも準備が大事なのだ。

そしてもうひとつは、自分のパーソナリティとその学校の雰囲気が本当に合致しているかどうかというのもやはり大事だろう。私学は労働環境としての学校の内実がまだまだ不透明で、この辺の見極めはやや難しいこともあるかもしれない。が、限られた情報源からその学校の雰囲気をなるべく感じ取って、自分と本当にあっているか、また採用試験のなかで自分がどのように振舞うべきかを考える必要があるだろう。間違っても私のように、イタイ学生のような振る舞いをしてはいけない……。


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