マムララ185投稿目です。

先日放送された、
フジコ・ヘミングの
追悼スペシャルを観ました。

フジコさんの代名詞とも言える、
リストの「ラ・カンパネラ」。
淡々と弾いているように見えるけど、
誰よりもこの曲が好きで、
何年、何十年経っても、
消えない情熱みたいなものが
こちらにも伝わってくる。
心を、魂を揺さぶられるとは、
こういう事を言うんだなと。

自宅の階段から転落して、
大怪我を負って、
さらには癌も見つかって。

身体が思うように動かない中で、
生前最後に弾いた曲は、
幼い頃に弾いていたという
モーツァルトのピアノソナタ。
自分も弾いた事がある曲。
辿々しい指使いながらもすぐに解った。

右耳が聞こえなくなったり、
一時期無国籍だったこともあったり、
ドイツへ留学してからも、
長らく不遇の時代があったり。

それを乗り越えて来られたのは、
ピアノの存在があったからに
他ならない。

世界の端っこで、
誰に聞かせる訳でも無く、
決して上手いわけでもないような、
ピアノ弾きの端くれと言っていいのか
わからないわたしでも、
「ピアノが弾けて良かったな」と
思う瞬間がある訳で。

わたしなら、人生の最後に
何の曲を弾くんだろう。
幼い頃に楽しく弾いていた
ブルグミュラー?
短大の頃に、師匠から
「好きな様に弾いていいよ」と
言ってもらえたショパン?

一番胸にグッと来たフジコさんの言葉。
「間違えても良いじゃない、
機械じゃ無いんだから」

あの頃のわたしに
聞かせてあげたかったな…。

慎んでお悔やみ申し上げます。

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