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オンライン授業の困り

緊急事態宣言下で迎えた2学期。
福岡市と近郊の都市では、オンライン授業が導入される学校が多くなっています。
診察の際に、オンライン授業での困りを耳にすることが多いため、
私なりに対策を考え、ご紹介します。
オンライン授業がうまくいってないなと感じる子どもたちへの
解決の糸口になればと思います。


1. 集中しづらい
わざわざ紹介するまでもありませんが・・・
周りの物が目に入ってしまうと、つい気が逸れてしまいます。
オンライン授業を受ける際の環境調整としては、
何もない壁に向かって座ったり衝立を置いたりする、周りに勉強道具以外は何も置かない
などの工夫が必要かと思います。

2. わからないということを伝えにくい
特に発達特性のある子や不安の強い子は、「わからない」を伝えにくいので、
普段の授業では、先生がその子の表情やノートを取っている様子を見て
「わからない」を察していると思います。
オンラインでは、これができません。
先生から「わかった?」と聞かれると、ついうなずいてしまいます。
なので、「わかった」度合いや自信の程度を点数化して手で示してもらうというのがいいかなと思います。
たとえば5点満点でこんな感じはどうでしょう。
5点 同じ問題が出てもバッチリできる!
4点 ちょっと自信はないけど、だいたいわかった
3点 なんとなくわかった気がするけど、自信がない
2点 わかるところと、わからなかったところがある
1点 わからない
0点 聞いてなかった
よく、怒りや不安について考える時、気持ちの温度計を使って、
自分の気持ちの程度を相手に伝えるという方法が使われますが、その応用です。

3. 身体的な負担
これも言うまでもありませんが、同じ姿勢で画面を見続けるので、
途中で肩甲骨をほぐすようなストレッチを取り入れたり、
眼球を動かす目の体操をしたりすることをお勧めします。
意外と皆さん、忘れていらっしゃいます。

4. 他の子から自分が見られるという不安
通常の授業では、自分の顔を真正面から見ることができるのは、先生だけです。
でも、オンラインで顔を出していると、皆から自分の顔が見られてしまいます。
顔を出すことで、きちんと授業を受けているということはわかりますが、
見られる不安で授業に集中できなくなってしまうとしたら、本末転倒です。
ほとんどの先生方は、顔を出したくないというお子さんには、
出さなくてもいいよと仰って下さっていますが、平気だった子がそうではなくなる可能性もあるので、
子どもたちの気持ちの変化にご配慮頂けたらと思います。

5. 他の子たちと気持ちを共有できない
授業の後にちょっと話す、ということができないのも、オンライン授業のデメリットです。
帰りの会をオンラインでやっている学校は、楽しそうだなと子どもたちの話を聞いていて思います。
オンライン昼休みとか、皆でオンラインを通して気持ちを共有する時間を持てるといいなと思います。
それから、これはアプリの問題もあるのでしょうが、
授業後にお互いが自由に話せる時間を作れたり、
授業時間以外ではチャットができたりするようになるといいのになぁと思います。

と、5については私も現時点での解決策が思い浮かばず、願望になってしまいますが・・・
以上、参考になれば幸いです。


まだまだ続くコロナ禍で、子どもたちは、昼休みや行事がなくなって、
引き算ばかりでつまらない学校生活を送っています。
ここで、足し算を考えて、楽しむ力をつけてもらいたいし、しっかり楽しんで貰いたい。
そのために、大人である私たちが、足し算をする背中を見せていかないといけない、とも思います。

川谷医院でも、9月から開始予定だった「子育てに悩む親の会」を
10月から開始に変更しました。
引き算で終わるのは嫌なので、代わりに、開催予定だった9月16日に、
講師であるクアモト美穂先生とオンライン対談をすることにしました。
本当は公開録画としたかったのですが、
初めての取り組みで不安のため、今回は録画のみとし、
後で皆様に観て頂けるようにします。
お題は、親の会で一番相談の多い「声かけ」について。
このテーマに関するご質問がありましたら、9月15日までに、
この記事のコメント欄か、instagramのコメント欄に書き込み下さい。
クアモト先生と私でお答えさせて頂きます。

締め切りまでが短くて申し訳ありませんが、ぜひご質問お願いします!

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