【はなのみやこ】後宮を飛び出したとある側室の話3

 2の終わり方が大団円でありつつ、成熟してきた内政、何やらきな臭い国外の動きという幕引きだったので、絶対続き読みたいと思っていました。ネタバレになるので詳細は書きませんが、今回もドキドキハラハラの展開です。

 はなの先生は歴史好きなんだろうな、と思います。他の作品でも感じることですが、ストラテジー要素があり、どうなる、どうする、と夢中になって読んでしまいました。

 冒頭、ラウルの株が急降下する連続で、やっぱりリケルメと結ばれるほうが幸せだったのでは、と思いましたが、それは私の早合点でした。リードにはラウルしかいないと確信させられます。

 好きなシーンというかすごいなと思ったのは、リードが武力ではなく、言葉で説得を試みるところです。自国の民の利益や未来のため、という動機はお互い同じでも、そのためなら戦争も辞さないとするコンラートに対し、戦争がどんなものか前世の記憶を持つ者として理解し合えると願い、理想を説くリード。自分とはまったく異なる考え方を持つ人と対峙して、今までのリードが見せてきた聡明さや(精神的な)強靭さが崩されたかのように感じるんだけど、そこを補うように支えるラウルがとてもかっこいい。

 今後の展開は、外交の駆け引きになっていくのかな。受けが攻めと幸せに暮らしました、で終わらない、成長していくリードの姿に目が離せない作品でした。








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