【連載旅小説】繭 #最終話
真結さんは「腹ごしらえさせて」と、パン屋さんでソーセージの入ったパンを買い、かじりながら僕と並んで歩いた。
少し距離があるけれど、話しながらオリンピックスタジアムへ向かうことにした。
大きな通り沿いにあるモスクを右に曲がり少し進むと、右手に墓地が見えてくる。十字架が見えるから、東方正教の墓地なんだろう。
更に進むと、右手奥にアイススケートなどで使用されたというゼトラ・オリンピックホール、その奥にサッカーなどを開催するアシム・フェルハトヴィッチ・ハセ・オリンピック競技場が見