【連載小説】Berlin, a girl, pretty savage ~Moment’s Notice #26
追いついた康佑は梨沙と肩を並べて歩く。
梨沙は大人しかった。好きなやつのことで頭がいっぱいなんだろうと思うと、康佑は複雑な気持ちになる。
とはいえ、その話題は彼女を苛立たせるようだから、これ以上突っ込むことは出来ない。
しばらくお互い黙ったまま、ゆっくりと桜並木を歩いた。時折梨沙は桜にカメラを向け、康佑もその度に立ち止まり彼女を待った。
5月。留学生活も残り2ヶ月ほどだ。
康佑は切り出す。
「俺さ、横浜に住んでて、学校は都内なんだ」
「ふぅん」
「梨沙は都内に住んでるっ