はやく生まれ直したい

とある舞台の映像を観て、私はそれに熱狂してしまった。あまりに輝いて見えたので、一ファンとして見守るどころではなかった。同じように生きている人間とも信じられず、それでいて激しく嫉妬した。

さほど歳の変わらない若い役者が、あれだけの大舞台に立って、数万のファンに夢を見せている。自分がそのような人生を志向しているわけでもないのに、劣等感で気が狂いそうになった。
素晴らしいパフォーマンスで身を立てて、たくさんの人に求められている。人ひとり輝かせるためにきらびやかな衣装が仕立てられ、舞台が動き、熱いライトが照らす。脚本や曲や振付、全てが役者、もとい板の上の登場人物を魅せるように作られている。これは少し違うかもしれない。でも、伝えたい、表現したいと願われたことは、どうしたって役者の肉体を通してこちらを揺さぶるようにできている。と、思う。
板の上に立てば、人は神にだってなれる。日常側にいる私が引き込まれたってむべなるかな。この世のものではない存在と相対して、早くそちらに行きたいと魅入られてしまった。宗教じみた感動。これはおいそれとキラキラした目で語れるものではない。私だって無宗教を標榜する社会に適合して生きたい。
私が嫉妬した舞台が特殊だったのもあるかもしれない。本筋の芝居が幕を閉じた後、登場人物が役のまま歌って踊ってこちらに呼びかける、いわゆるライブパートがある。歴史上の人物がコールアンドレスポンスをして太鼓を叩いたり、人の形を得た刀剣の付喪神たちが衣装の早替えをしながら愛を歌い上げたりする。なんともトンチキな世界観ではあるけれど、大きすぎる刺激でこちらの人生を塗り替えるには十分だった。

「とある」でもなんでもないな。ミュージカル『刀剣乱舞』です。

その後ストレートプレイの舞台『刀剣乱舞』も観て、いよいよ強く憧れた。ここに一般女子大生として居る自分が受け入れられなくなっていった。
そこで潔く、「早く生まれ変わりたいので死にます! この人生に私の望む未来はありません!」と行動力を発揮してしまえばドラマチックなのだけれど、現実はまあ、現実らしく角がとれている。なので、せめてどこかに向かおうとする衝動を発散すべく、様々に模索し始めた。

好奇心とそれに付随する行動力だけがあり、影響を受けやすい。目の離せない幼児のような性格を、なんとか大人らしい言葉で表現しようとした結果がこれです。
情報量としては、言語化を放棄してTwitterで悶えているのとあまり変わらないかもしれません。別段誰に宣伝して読んでもらっているわけでもないので、ほぼ自分用にまとめます。
それでも自分しか読まない日記帳ではないので、激情を激情のままに叫び倒すだけの文にはしません。精一杯伝えるための言葉を書きます。
次からは影響を受けた私の行動記録です。

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