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遠野遥著『破局』読んだ。おもしれぇ。

タイトルの通り。なんだこの小説は。面白い。あるいは、面白いというのは正しい感想ではないかもしれない。確実に正しいことを言うなら、読み終えてからずっとこの本のことを考えてしまっている。

小説の内容には自分の知識が浅薄ゆえあまり触れないが、ぼくのツボにグッサリといった。どうしていいかわからず、今はこれを書いている。

特に大学生、ぼくと同じくらいの人間には読んでもらいたい。それ以下の人間は主人公のことを怖いとか思うだろうし、それ以上の人間は気色悪いだとか思うのかもしれない。でもぼくにとってはぼくの近くにいる、ぼくの中の他者と限りなく似たシルエットをしていた。

筋肉の鎧と肩書きの冑によって守られた主人公の内側にはなにも、本当になにもなかった。虚無。その虚無の具合が今のぼくであったり世のインテリたちの一部に類似している。

あいにく、ぼくには筋肉すらないが。

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