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2023年NHKマイルカップ回顧

おはようございます。
今回は先週のG1レースの振り返りをしていこうと思います。

今回の予想は散々でした。。
軸走馬も激走馬も飛び、1着にはまったくノーマークの馬が来るという始末。さすがに目も当てられないですね。
競馬塾としてやっている以上、責任があります。
ここは猛省して、なぜ馬の選択を間違えたのかを考えていきたいです。

上に予想動画を張っておきましたので、ぜひ聞きながら読んでいってください。

まず、馬場状態についてです。
当日朝の時点の天気予報では、1時間で1mm以上降ることはなく降り始めも9時から、となっていたので稍重だけどタイムの出る馬場だと想定しました。
実際には、降り始めはさらに遅く10時からでポツポツと。
レースは雨の中行われましたが、馬場が稍重表記になったのは10Rからで、稍重だけどタイムの出る馬場になりました。
昼に起きたときに15時台が2mm降る予報に変わっていたので焦りましたが、結果多く降らず良かったです。
馬場状態に関しては予想通りになりました。
なお、「稍重でも東京芝1600mは時計が出ることもある」ということを、2020年安田記念を例に出して説明していますが、この時の馬場指数は「-15」でした。一方、今回のNHKマイルカップの馬場指数は「-1」でしたので、同じ稍重でも例に出した安田記念のときほど軽い馬場ではなかったといえます。

次にレース展開についてです。
動画内にて「展開の鍵を握るのはドルチェモア三浦皇成で、ペースを上げていくことはしない。中緩みを作るので後ろの馬も間に合う展開になる。」と予想しています。
この展開についても予想通りになりました。
三浦皇成騎手はG1レースだと消極的な騎乗が多くなり、自らが先行馬に乗っているときに無理にペースを上げないんですよね。それで凡走したのが昨年のマイルCSのウインカーネリアンです。今後も、三浦皇成騎手が持続力特化の先行馬に乗ったときは割引が必要です。

ここで、レースのラップを見ていきましょう。
200m  400m  600m  800m  1000m  1200m  1400m  1600m
 12.4    23.0    34.3    46.3      58.4     1:10.4    1:21.9   1:33.8
 12.4    10.6    11.3    12.0      12.1      12.0       11.5      11.9

上記の通り12秒台のラップを3連続しています。馬場を考えても遅いラップで、後ろにいた馬たちは笑いが止まらなかったでしょうね。
実際、3,4コーナー中間地点では後ろの馬たちが距離を詰めてきて馬群が凝縮しています。リードを築けなかった時点で、先行馬たちはノーチャンスでした。

さて、ここまでは動画内で話した通りですね。さすが!と自分を褒めてもいいのですが、外れている点があります。
それは400m地点・2F目の「10.6」というラップですね。
馬場を考えたらとても速いラップです。
なぜこんなに早くなったか、それはフロムダスクの影響です。
動画の冒頭で「逃げるのは恐らくフロムダスクだが、出遅れたら多分逃げない。和生が乗ってるので和生は思い切り前に行く騎手。」と発言しています。うーん、惜しいですね。
1枠1番を引いたフロムダスクは出遅れました。しかし、和生騎手が押して押してハナを主張、その結果2F目が異様に早くなったわけです。和生騎手は前に行く意識が高く、主張する騎手でしたが、ここまでやるとは予想できませんでした。後ろから行って凡走している馬だったので、何が何でも前に行く気だったのかもしれませんね。
とにかく、このフロムダスクに付き合った馬は脚が残りませんでした。その筆頭がオールパルフェです。押して押していったフロムダスクに対抗し、ペースを謎に引き上げています。大野騎手のペース認識の悪さは朝日杯の頃からありましたが、ここでもハイペースに自ら付き合う騎乗でしたね。出脚の良いオールパルフェですが、この騎手が乗り続ける以上どんなに馬が良くても勝てないと思います。展開の助けが必要ですね。
以下セッション・ユリーシャ・シングザットソング・タマモブラックタイ・ドルチェモアまでが2F目の速いラップに付き合ってしまっています。

一方、スタート良く出たショーモン・エエヤン・オオバンブルマイ・カルロヴェローチェは2F目で引いて中段につけました。この4頭の騎手はペース認識が良いので、速いと感じて引けたのだと思います。オオバンブルマイが3着に好走できたのはここで引いたことが大きいと思います。武豊騎手のペースの良さは府中でも変わらず。逸品ですね。

外側からやや出負けしたダノンタッチダウンが上がっていって中段まで。
カルロヴェローチェは馬群中程に位置しましたが、かかり気味でした。レーン騎手が馬の余力を考えて速いラップを踏ませなかったのでしょうが、この馬にとっては逆効果でしたね。追い切りでも速い時計を記録しているし、馬体を見ても、全体的に流れる展開の方が向きそうです。今回はドルチェモア三浦皇成がいた時点で展開が向かなかったですね。

1着馬シャンパンカラーと2着馬ウンブライルは出遅れて後方からになりました。当然、2F目のハイラップに付き合うことはなく脚を溜められています。
モリアーナもフロムダスク同様出負けして後ろから。ナヴォーナはスタートこそ出たものの、二の脚がつかず後ろからになりました。
この4頭は道中仲良く後方を走っており、余力を残せていたはずです。

馬群が凝縮した状態で直線に入り、横一線で迎えたL2部分で11.5秒を記録しています。この11.5秒はL2で先頭に立ったタマモブラックタイの時計です。2F目で速いラップを踏んだ馬たちが伸び脚に欠けるなか、一頭だけ抜き出ました。前走重馬場のファルコンSで激走している通り、消耗戦で強い馬ですね。心肺機能の高さは誇示しましたし、同じような展開になるレースなら見限れないと思います。
ただ、ここで後ろで脚を溜めていた馬たちが突っ込んできました。

まずタマモブラックタイの隣にいたダノンタッチダウンが中目から、そのさらに外からシャンパンカラーがジリジリと。オオバンブルマイも追い上げを開始、後ろのカルロヴェローチェも同様に追い上げますが、オオバンブルマイ以上の末脚は出せませんでした。道中で消耗していたことも響いたのだと思います。
シャンパンカラーとオオバンブルマイの末脚は互角。オオバンブルマイよりも前で、追い出しを我慢していたシャンパンカラーが上回りました。そこそこの脚をそこそこの距離持続できる馬で、今回は展開がハマりました。出遅れたことが功を奏しましたね。

上記の馬たちだけで決まりそうな中、ただ一頭大外から飛んできた馬がいました。ウンブライルです。
4コーナー入り口ではオオバンブルマイの隣にいましたが、直線に入りL2地点では大きく離されています。瞬発力の低さを見せましたが、L1地点から加速。そのまま大きく伸びてアタマ差の2着まで食い込みました。
この地点のラップは「11.9秒」ですが、この時計は先頭を走っていたシャンパンカラーのもの。L1の標識を過ぎた地点でシャンパンカラーとウンブライルの差はおよそ5馬身差。それをこの200mだけでアタマ差まで詰め寄っていますので単純計算で、このL1地点のウンブライルのラップは「10.9秒」となります。馬場を考えたら信じられない時計ですね。
後ろで脚を溜められていたことも大きいですが、馬群が凝縮していた割に直線で横一線に広がったことで前が詰まらずスムーズに追い出せたことも良かったと思います。
良い脚は持っていますが瞬発力が問われる展開だと盲信はできませんね。

さて、以上がレースの結果ですが、展開で外れていた点は2F目のハイラップです。しかし、この部分は予想していなくても関係なかったかと思います。
どのみち前の馬にはチャンスがない展開だったので、直線L2部分でオールパルフェが先頭に立つか、タマモブラックタイが先頭に立つかの一瞬の違い程度ですね。結局のところ見誤ったのは馬の選択、その一つにつきます。

それでは上位から一頭ずつ、追い切りでの評価も踏まえながら振り返っていきます。

1着 シャンパンカラー(追い切り評価:C)
やってしまいました。1着です。
自分でいうのもなんですが、追い切りを見る目は誰よりもあると思っています。今までのG1レースで追い切り評価がB+以下の馬が3着内に入ったことはありませんでした。自分で馬券を買うときも、自分でつけた評価を基準にして買う馬を減らして点数を絞ってきていました。
だから、今回は完敗なんです。
以下、評価をつけたときの文を引用します。

・シャンパンカラー・・・C
絶頂期:2023年ニュージーランドT(美浦坂路良。強め。よそ見しがちで、乗り役もムチを二発入れている。ラチ沿いギリギリを走行。)
美浦坂路良。
まだよそ見しているが、今度は真ん中を通して走れている。駆け足の力強さは前走同様感じず。まだ精神的にも身体的にも幼い。

https://note.com/malibuli/n/nc85588064b0e

あまりに悔しいので、改めて追い切りを見比べていますが、やはりというか印象は変わりません。上で書かれた通りです。
ただ、やってしまったなというのは見方ですね。
駆け足の力強さは確かに今回のメンバー内では見劣ります。ただそれは横の比較なんですよね。縦の比較をする評価なのに、その駆け足の弱さに注目してしまったのがいただけないです。
もちろん縦の比較で絶頂期と比較していますけどね。駆け足自体は変わってないと判断しています。時計は出ていますが乗り役は騎手ですからね。
ただ、大事なのは、坂路を真ん中を通して駆け上がれているという点だったかなと。今この評価文を見ていてもこの箇所は、縦の比較においての明確な上積みですよね。いやーやってしまいました。。。
結局、駆け足のほうに注目してしまい、発見できていた上積み部分を重視できずに低い評価を下してしまったということです。
シャンパンカラーに対してもとても失礼なことをしてしまいました。
追い切りをもとにやってきた競馬塾ですので、この点は猛省したいと思います。シャンパンカラーに上積みがないわけではなかったのです。

2着 ウンブライル(追い切り評価:B+)
上記で書いた通り、次元の違う最高速の質を見せつけてきました。
ただ瞬発力の低さも露呈したので、改善されない限り弱点になると思います。小回りコースでは割引が必要ですね。
追い切りでも前走時に比べて走法が良くなっており上積みを感じました。今後も要注目の一頭ですね。

3着 オオバンブルマイ(追い切り評価1位:A+)
動画内でも話していますが、軸走馬にするか悩んだ馬です。
モリアーナと比べて怖い点があったので抜かしましたが。
怖いと思ったのは気性面です。追い切りでもかなりうるさい面を見せていましたからね。しかし結果として武豊騎手が下げたところでも反応できていたし、カルロヴェローチェがかかって消耗するなか、おとなしく追走できていました。レースではうるさい部分を出すことなく走れたわけです。
今思えば、自分の追い切り眼だけを信じてこちらを軸にしていればと悔やまれます。。。追い切りではメンバー内で1位評価ですからね。
馬力があるタイプなので、府中以外のコースにいっても楽しみがあると思います。

4着 ダノンタッチダウン(追い切り評価:B+)
0.2秒差の4着と好走しましたね。調教師サイドからも、爪の形的に重馬場は向かないと言われていましたが、好走してきました。前走皐月賞ではノメっていましたからね。ただ、馬場指数を見ても今回の方が軽い馬場だったし、芝もまだ元気だったという点も味方したのだと思います。馬体の完成度が高いので、この距離ならまだまだおもしろいレースが見れそうです。

5着 カルロヴェローチェ(追い切り評価4位:A)
ダノンタッチダウンをハナ差の5着でした。上記でも書きましたが、控えたことでかかり、消耗していたことが大きかったと思います。それでも終いまでジリジリと伸びているし、実力は高いですね。追い切りは一週前と最終で変わり身が大きく、とても興奮しました。今後気性面の改善が見られれば活躍の幅が広がりそうです。

6着 モリアーナ(追い切り評価:B)(軸走馬指名)
やってしまいましたね。先程上記で書いた通り、今までB+以下の評価を付けた馬が3着内に入ってことはなかったのです。それなのにBのこの馬を軸走馬指名しているんですね。
一週前の時点ではメンバー内でも一番良いくらいの走りをしており、もう軸候補筆頭だったわけですが、肝心の最終が緩くまったく上積みを感じませんでした。しかしまぁ一週前が良かったことと、クイーンC3着の実績から軸にしてしまったんですね。
実際、軸を誰にするかはギリギリまで悩んでいて、動画でもこの馬を推している間はかなり歯切れが悪いです。最後は自分の眼を信じるべきだったと改めて思います。
レース内容ですが、直線で内から外目に進路変更しています。ただ詰まっていないのでスムーズですね。進路変更してからは前にいるオオバンブルマイと変わらない脚を使えていますが、ウンブライルにはあっさり抜かれています。結果、5着のカルロヴェローチェとは0.1秒差の6着ですから悪い結果でもないのですが、終いピリッとしなかったのは最終追い切りで見せた緩さが出たと思いますね。レース内容自体は良かったです。

8着 ナヴォーナ(追い切り評価2位:A+)(激走馬指名)
激走馬でした。この馬に関しては正直、諦めがつきます。
動画内でも言っていますが、良馬場で見たかった馬だからですね。
元々、重くなる馬場で推す気がなかったこの馬を推した理由は、追い切りです。状態はいまが一番良いと確信したので、なんとかしてこの馬が走れる程度の馬場でに落ち着かないかどうか思案していました。それで出してきたのが2020年安田記念の例なんですよね。しかし結果としてこの時ほど早い時計の出る馬場にはなりませんでした。
レースでもスタート良く出たのに、普段以上に二の脚がつかず、レースも最後方からになりました。レース後の田辺騎手のコメントを見ると、重い馬場に脚をとられていたようです。それでも直線は良い脚を使って最後方から8着まで食い込んできました。先頭のシャンパンカラーとは0.6秒差ですし、悪い結果ではないですね。もう少し馬場が軽ければ逆転もあったのではと思ってしまいます。前にいたエエヤンやドルチェモアには先着しているし、このレベルでも十分勝負になりますね。これで二戦連続掲示板を外す負け方をしていますが、敗因がはっきりしているので、これからも確実に追っていきたい馬です。期待しています。



以上、振り返りでした。

反省点も見つかり、自分にとって有意義な回顧になりました。
追い切りの内容はとても大事だと思いますが、それだけで決まらないのが競馬なのでこれからもうまいこと付き合っていきたいですね。

さて、明日は休みなのですが昼頃に健康診断に行かなければならないのでそろそろお休みしようと思います。年2回の健康診断、前に行ったことが相当前のことに思えます。身体、異常がないといいんですが。。。
追い切り診断だけでなく、自分の身体の診断も頑張らないとですね。
まぁ、診断するのは私ではないですけど。

健康診断に行った後は、身体に悪いラーメンを食べ、美容院で髪を切ってもらい、夜に資格の講義を受けて、それからヴィクトリアマイルの追い切りを見ようと思っています。
今年現地観戦が叶ったこのレース、同じコースのNHKマイルカップの反省を活かして当ててみせるぞ!!

今回も6000字を越えだいぶ長くなりましたがここまでお読みくださり、ありがとうございました。
次回はヴィクトリアマイルの追い切り評価ですね。それではまたよろしくお願いします。



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