ファーストシューズ
今日はバレエ。でも場所はタンゴスタジオ。レッスンが終わってちょっと一息、お茶を飲んでおりましたら、目の前にスッと靴がやってきました。真紅のCome I’ll Fault。
「これ、似合うと思うんだけど」
そうなったら足を入れないわけには行きません。みんなが見ているなか、履いてみるとぴったり。シンデレラシューズでした。黒いストラップのサンダル型。それまで社交ダンス・ラテンのシューズだった私にはその洗練された美しさに見惚れてしまったのでした。
でもお値段高い…
Come I’ll Fault
それは元々タンゴの曲のタイトルで、と物語を聞かせてくださいます。欲しい、欲しい…。悩む私にスタジオのオーナーさんは言います。
「1週間お取り置きしますので、欲しくなったらいらっしゃい」
1週間後私はその子を迎えに行ったのでした。初めてのタンゴシューズに、私はCarmenと名づけました。どこかシュッとしていて線の強さが魅力でした。タンゴがお芝居か、と揺れる私はまたタンゴに引き寄せられていきます。
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