見出し画像

戦争中のマレーシアと日本


約10年前、マレーシアのペナンに滞在中、
韓国から移住している友人が何人かできました。 

たまたま、8月15日に何人かで会っていた時、韓国の友人1人が、
「Today is independence day」と。
そう、日本の終戦記念日でもあります。

彼らにとっては 日本からの独立記念日。
その友人が、「高校の時 ”日本人は敵ではなく友人だ” と教わり、
今でもそう思うようにしている」と話していました。
その時、一緒にいた日本人の友人が、「Sorry・・・」とうつむき謝ったこと、今でも忘れられません。私もやりきれない気持ちになりました。

70年以上前に終わった戦争。
でも、私たち戦争を体験していない世代でも、世界のどこかで、心の中で、それぞれ何かを感じ続けています。 

太平洋戦争で、日本軍がマレーシアのペナン島へ上陸した時、
ペナンに住んでいた私の祖父の兄が、日本軍に残酷な殺され方をされたと
聞かされています。
たくさんの水を無理やり飲まされ撃たれた、と。
このペナンの島で。

だから、母が結婚前に、日本に留学したいと言った時、
最後まで祖父は反対していたそう。 

マレー語で、「日本」のことを、「Jepun(ジプン)」と言います。
子供の頃、親戚の友人や仕事仲間などに会うと、「ジプン?」と、
日本から来たのか、と声をかけられていたこと、
私が何かした訳ではないけれど、「ジプン」と声をかけられると、
なんとも言えない気持ちになり、嫌で、恥ずかしくて、
なんとなく怪訝そうな表情で見られているように思えてしまい、
申し訳ない気持ちになって、マレーシアで引っ込み思案になっていたことを覚えています。

ペナンの親戚の中には 「日本製の商品は買わない」と、今でも反日感情を持っている人もいます。
路線バスに乗った時、隣に座っていた現地のご高齢の方に、
日本人がどれだけ酷いことをしてきたか、お話されたこともありました。

学校で習わない事実。
教科書には載っていないこと。
日本で目にするマレーシアのガイドブックには「マレーシアは親日的」と。
戦争中に日本軍がマレーシアに攻めたこと、そこで行った残酷なこと。
マレーシアでは、それを今でも恨んでいる人もいます。
それを知らずにマレーシアに住んでいる日本人の方も多いと思います。

私達が事実を知ること、歴史を学ぶことはとても大切。
過ちを繰り返さないために。
そして、戦争を体験していない私達の世代が、
世界中で、手を取り合えるように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?